川谷俊輔先生の論文がHeart Rhythmに掲載されました

Kawatani S, Kotake Y, Takami A, Nakamura K, Tomomori T, Okamura A, Kato M, Yamamoto K.

Predictor of A4-amplitude using preprocedural electrocardiography in patients with leadless pacemakers.

Heart Rhythm. 2024 Jul; 21(7):1064-1071. doi: 10.1016/j.hrthm.2024.02.033. PMID: 38382683. Epub 2024 Feb 19.

 

VDDリードレスペースメーカー(Micra AVTM)での房室同期に関与する因子であるA4波高値が術前の12誘導心電図で予測できることを示した論文です。

近年、心臓ペーシングデバイスに新たにリードレスペースメーカーが登場し、本邦でも2017年から使用可能となっています。一方でリードレスペースメーカーは本体そのものが心室のみに留置されるため、直接的に心房の情報を得ることが出来ず、房室同期した生理的ペーシングを得ることが課題です。我々は、当院においてVDDリードレスペースメーカーを植込んだ症例において、「術前の体表面心電図」と房室同期の間接的な指標と報告されている「“A4波高値”」の関連性について検討し、P波の形態的特徴とA4波高値の関係を明らかにしました。その結果、術前12誘導心電図によるP波の形態指標(maximum deflection index ; MDI)はA4波高値の予測に有用である可能性が示唆されました。また少数例での検討で同指標は房室同期率とも有意な関連があることを示しています。

徐脈性不整脈患者、特に房室ブロック症例に対するデバイス選択を検討する上で、臨床的に有用な指標と考えています。

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