ADAアメリカ糖尿病学会に参加しました

6月13日から17日までアメリカサンフランシスコで行われたADAに参加してきました。
サンフランシスコは20度以下と寒かったですが、参加者は多数で大盛況でした。
会長講演が行われたメイン会場の写真です。
 


  サンフランシスコは橋がきれいな町でした。


ADAではポスターでしたが、口頭発表付きの発表がありました。
新規インスリン抵抗性指標の発表ですが、もちろん、英語です!
緊張して発表時の風景の写真を撮ってもらうのを忘れていました。
会場からはジョスリン糖尿病センターの先生から肥満でなくともインスリン抵抗性を有する人がどれくらいるのかという質問がありました。
また、どこの施設の方かわからなかったのですが、グルコースクランプは筋の抵抗性を見ているはずで、
指標に空腹時血糖を使っているが、空腹時血糖は肝臓の抵抗性を見ているはずだから、
肝臓の抵抗性はどうなんだ、と、するどい質問をされました。
ご指摘の通りだが、日本ではアイソトープを使えないのでデータがないです、と答えると、
本当かどうかわかりませんが、その施設で試してみるよ、と言われていました。
ずいぶん冷や汗をかきましたが、なんとなく国際人になった気分がしました。

 

 

 

 


研究会でトロント大学のTony Lam先生のお話を聞くことができました。
Lam先生の御研究では、通常抹消静脈に注射すると血糖が上がるグルカゴンが、中枢に投与すると血糖値を下げる作用を持つというお話でした。
ラットのグルコースクランプをやっておられ、中枢投与したグルカゴンは全身のインスリン抵抗性、肝の糖新生を低下させるそうです。
常識とは逆の結果で興味深かったです。
順天堂大学の田村先生にご紹介いただいて少しお話しさせて頂きました。...
臨床研究でグルコースクランプをやっているのでラットのクランプにも興味あります、というようなお話をさせて頂きましたが、うちのラボだとNature MedicineやJCIに出すような研究を基本にやっているんだよ、というような事を言われていました。
まだ40歳代前半だそうで、若くてエネルギッシュな方でした。
http://www.physiology.utoronto.ca/res/list/lam.htm

 

 Lam, Tony


 

ジョスリン糖尿病センターにはアジア人を対象とした
アジアンクリニックがあります。
http://www.aadi.joslin.org/ja/content/asian-clinic

 

 こちらのWilliam Hsu先生はアジア人の糖尿病の専門家です。
幸運にもお話しさせていただいたところ、日本人の肥満はBMIいくらか、
と聞かれたので25だと答えたら、アジア人をそんな基準でやってはいかん、...
最低24で、23でもいいくらいだ、と言われていました。
アジア人はすぐにインスリン抵抗性になるから、日本は何やっているんだ、
というような事を言われてしまいました。
こちらに詳しく書いてあります。
http://www.aadi.joslin.org/ja/content/bmi-calculator
こんなにアジア人の糖尿病について語れる先生は初めてでした。

こちらのサンスターの番組でHsu先生が詳しくお話しされています。
面白いと思いますよ。
http://www.mouth-body.com/school/theater/Q02 

 


 しっかり勉強した後にはヨセミテ公園観光に行きました。

雄大な風景でした。

 

 

以上 文責 大倉

 


 

ADAに参加して

内分泌代謝内科 中西理沙

 

613日よりサンフランシスコにて開催されたADAに、大倉毅先生、栄養部の亀川祥子さんと一緒に参加してきました。

私自身、海外での学会参加は初めてであり、壮大なスケールということは聞いていましたが、実際に見た光景には圧倒されました。

講演を聞きながら内容について行くのは難しかったですが、世界で進んでいる研究に触れる事が出来たのは貴重な経験になりました。中でも腸内細菌と耐糖能障害の関連や、妊娠糖尿病と児の代謝障害(脂肪肝等)についての話題は興味を持ちました。

ポスター会場でも活発な討論が行われていました。基礎研究から臨床診療、また栄養指導の話題など、幅広い分野から多くの発表があり、ゆっくり時間をかけて回ることができました。当科からは大倉先生がインスリン抵抗性の新たな指標についての発表をされ、他国の先生方からの関心が集まっていました。また、日本人のインスリン抵抗性について、BMI23程度でも肥満と捉えるべきと、他国の先生の意見を伺うことができ、大変勉強になりました。ADAは基礎研究、臨床診療に関わらず、また療養指導や栄養指導など多岐にわたる分野において、強い関心を持った医療者が集まる学会であり、また意見交換をする中で更に視野が広くなる、といった印象を持ちました。

学会での講演以外にも、勉強会ではトロント大学のTony Lam先生よりグルカゴンの研究についての講演を聞く機会等がありました。やはり基礎の分野は理解が難しかったですが、それでも直接英語で発表を聞くことは勉強になりました。日本から参加した諸先生方と話ができたり、他病院から参加された同年代の先生の研究内容を聞いたりと、英語を忘れらえる、束の間の休息にもなりました。また、私の母校である順天堂大学の先生方に遭遇し、一緒に食事を頂いたり、懐かしい話、近況報告に花が咲きました。国内の学会では却って話ができない方々と近距離で語り合えるとは、世界は本当に狭いです。

“STOP DIABETES”-増加し続ける糖尿病に対して、どう取り組めばいいのか。糖尿病患者は増加し続け、アメリカでは糖尿病患者の3人に2人が脳卒中、心疾患を発症しているそうです。日本も決して他人ごとではありません。1次予防から管理を行う重要性を改めて認識しました。

それにしても、現地の食事は高カロリーでした。学会会場にあるサンドウィッチ、ステーキ、飲み物、全てがbigであり、亀川さんと推定カロリーを考え驚きながら食事をしていました。日本のお米や、出汁を使った旨味のある和食はやはり健康的で最高です。帰国後は今まで以上に和食が美味しく感じ、毎日感謝しながら食べています。

サンフランシスコで出会った方々を思い出しながら、この経験を日々の診療に生かしたいと思っております。

最後に、このような貴重な機会を下さった全ての方々に感謝したいと思います。有難うございました。

 


 

 

 

タッズ ステーキハウスのステーキ15ドル。
ドレッシングたっぷりのサラダにガーリックトースト、ポテトで1900kcal? 

ハンバーガーも巨大、フライドポテトは山盛りです。

 

 

 

 


薬局に行くと血糖測定器が大量に売っていました。
HbA1cが測れる機械も売っていました。
 
ちなみに会場でデニッシュの横で売っていたりんご

 

 

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