ロボット支援下肝切除術

診療科 消化器外科
英語術式名 Robot assisted hepatectomy
保険適用
適応 良悪性肝腫瘍

術式の概要

ここで掲載している動画は、実際の手術映像となります。このような動画や写真で、気分が悪くなる可能性のある方は、お気をつけください。

動画は、ロボット支援下の肝S3部分切除術です。病変部位や病気の種類に応じて切除範囲やポート配置が変わります。

①肝S3病変確認

②小網切開

③肝十二指腸間膜確保

④術中超音波検査による病変確認

⑤肝切離線マーキング

⑥肝離断(脈管処理、ロボット鉗子による焼灼止血)

⑦標本回収

⑧腹腔内洗浄、止血確認

長所・患者のメリット

肝胆膵領域の手術は、その解剖学的な複雑さもあって、他の領域に比べて低侵襲手術の導入が遅れていましたが、肝臓領域でも低侵襲手術の有効性と安全性が評価された結果、2022年よりロボット支援下肝切除術が保険収載されました。当科でも、以前より腹腔鏡下肝切除術を実施していましたが、腹腔鏡下手術で使用する鉗子の動作制限がデメリットとして感じられていました。一方、ロボット支援下肝切除術は、多関節からなるロボット鉗子を使用することで、腹腔鏡下手術同様の拡大視効果の下、精細な操作をストレスなく行うことが可能です。2024年1月までに7例のロボット支援下肝切除術を経験しましたが、いずれの患者さんもClavien Dindo III以上の大きな合併症なく経過され、術後入院期間の中央値は5日でした。

消化器外科の特徴

ロボット支援下肝切除や腹腔鏡下肝切除術といった低侵襲手術を積極的に導入しています。また、肝切除術に特有の「胆汁漏」という特有の合併症が生じないようにするための臨床試験などの試みも積極的に行っています。