肺癌に対するロボット支援肺葉切除術

診療科 呼吸器外科
英語術式名 RATS for lung cancer(Robot-assisted thoracoscopic lobectomy for lung cancer)
保険適用
適応 肺癌、転移性肺腫瘍

術式の概要

ここで掲載している動画は、実際の手術映像となります。このような動画や写真で、気分が悪くなる可能性のある方は、お気をつけください。
右下葉肺癌に対するロボット支援下右肺下葉切除を供覧します。手術はダビンチXiを使用して、二酸化炭素送気による気胸併用下に5ポート(4アームと1アシスト法)で行っています。
手術手技は
  1. 下縦隔(気管分岐下)リンパ節郭清
  2. 右下肺静脈切離
  3. A6・肺底区肺動脈切離
  4. 中下葉間形成
  5. 肺門部リンパ節郭清
  6. 下葉気管支切離
の順に行い、右肺下葉切除を完了しました。
手術時間は約3時間、出血量は20gでした。

 

肺癌に対するロボット支援下肺葉切除術

概要

肺癌に対して、全身麻酔・分離肺換気下に手術支援ロボットを用いて、肺葉切除術とリンパ節郭清を施行する。手術支援ロボットは、多関節機能、手振れ防止機能、3D立体下の拡大視機能を有し、精緻で正確な操作が可能である。

対象疾患

肺悪性腫瘍(臨床病期Ⅰ期、Ⅱ期の肺がん、治癒切除可能)
体位とロボット位置
ロボットのドッキング
ロボット支援下肺葉切除

 

長所・患者のメリット

肺癌に対するロボット支援手術では、精緻な操作により、神経を温存した正確なリンパ節郭清が可能です。痛みが少なく、術後の早期回復、退院が期待できます。また、術後合併症が軽減することも報告されています。

胸部外科の特徴

2011年1月から肺癌に対するロボット支援手術を開始し、呼吸器外科領域では本邦をリードするするロボット支援手術の代表施設です。当初は早期の肺癌から開始し、次第に進行期にも適応し、安全に施行しています。これまでに気管支形成、区域切除、術前導入療法後の手術、サルベージ手術も行い、良好な成績です。

保険適用年月: 平成30年4月