ロボット支援下膵体尾部切除術

診療科 消化器外科
英語術式名 RDP(Robotic distal pancreatectomy)
保険適用
適応 膵がん、低悪性度腫瘍、転移性膵腫瘍など

術式の概要

ここで掲載している動画は、実際の手術映像となります。このような動画や写真で、気分が悪くなる可能性のある方は、お気をつけください。

動画は膵がんに対するロボット支援下膵体尾部切除術です。リンパ節の郭清が不要な疾患の場合で、病変が脾臓寄りに位置しているときは、膵脾の剥離を先行して最後に膵切離をすることもあります。
  1. 小網を開放して、脾動脈根部を確保して仮結紮を行い脾臓へ向かう血行を遮断
    同一視野で膵上縁リンパ節を郭清
  2. 大網切離、胃脾間膜切離
  3. 膵下縁の剥離を行い、上腸間膜静脈前面で膵背側を剥離(トンネリング)
  4. 膵切離
  5. 脾静脈を切離
  6. 切除側の膵を脾臓側へ脱転し、上腸間膜動脈周囲のリンパ節を郭清
  7. 仮結紮していた脾動脈を切離
  8. 膵および脾臓を後腹膜から剥離
  9. 切離した膵・脾を回収
  10. ドレーン留置、閉創

長所・患者のメリット

膵臓手術は解剖学的複雑さから術後合併症の多く、他臓器と比較して低侵襲化が遅れていましたが、膵臓領域の低侵襲手術の安全性と有効性が評価され、膵臓の低侵襲手術が保険適応となりました。これが追い風となり近年、膵臓手術においても低侵襲手術が普及してきました。
再建の必要のない膵体尾部切除術は低侵襲手術に向いています。体格によっては奥深くに脾臓が位置し、開腹手術だと正中切開に横切開を加えないと手術ができないことがありました。腹腔鏡下手術は小さな切開で良好な視野が得られますが、鉗子という腹腔鏡手術専用の道具は直線的な操作しかできないので、どうしても動作制限がありました。その点、ロボット手術は腹腔鏡下手術の欠点の動作制限がないので、より安全に手術を行うことができます。これまでロボット支援下膵体尾部切除術を6例行いましたが、今のところ膵手術の代表的な合併症である臨床的膵液瘻の発生はなく、術後入院日数中央値8日とその安全性と有効性を実感しています。

消化器外科の特徴

ダビンチ手術のメリットを十分生かし、安全で精度の高い手術を提供しています。

実績

令和3年9月末までの実績:6件