ロボット支援結腸悪性腫瘍切除術

診療科 消化器外科
英語術式名 Rob-Colectomy(Robot-assisted colectomy for colon cancer)
保険適用
適応 結腸悪性腫瘍

術式の概要

ここで掲載している動画は、実際の手術映像となります。このような動画や写真で、気分が悪くなる可能性のある方は、お気をつけください。

大腸は結腸と直腸に大別され、本手術は結腸の悪性腫瘍(主に癌)へ適応されます。腹壁に5~6か所、1~2cmの小切開を加え、腹腔鏡とロボット鉗子を挿入します。内臓が納まる腹腔内では結腸の大部分が背中側に固定されています。
病変の部位に応じた結腸の固定を外し、切除を予定する結腸を栄養する血管をクリップで挟んだ後、切離します。転移の可能性があるリンパ節に対し、安全域をとって、主病変とリンパ節をひとかたまりに摘出します。
腸管の切除は腹腔内で行う場合と、腹腔外で行う場合があります。前者では切除後の腸と腸を繋げる操作(吻合)も腹腔内で完結します。後者では3-5cmの皮膚切開を追加して、お腹の外に腸管を引き出して腸管を切除し、吻合を行った後、繋いだ腸を腹腔内に戻します。

 



長所・患者のメリット

手ブレ防止機能による繊細で確実な手術操作に加え、鉗子の先端が曲がる多関節機能により、通常の腹腔鏡では難しい操作もロボット手術では少ないストレスで行えます。また高精細な3D画像システムにより、いっそう詳細な解剖の把握が可能となります。カメラワークもロボット支援で行うため、映像が安定します。これらのメリットにより、腹腔内において、従来の腹腔鏡手術を越えた精緻な手術を実現し、出血や他臓器損傷の低減が期待されています。

当科の特徴

大腸粘膜に発生した癌が粘膜下層へと根を進めるとリンパ節へ転移する可能性があります。当科では診療ガイドラインに準じた過不足のないリンパ節郭清を実践しています。吻合再建する腸管に血行不良があった場合、吻合した腸がうまく癒合してくれないことがあります(縫合不全と言います)。腸の内容、細菌が腹腔内に広く漏れると重篤な腹膜炎に発展してしまいます。縫合不全を減らすために、腸管を吻合する前に、ジアグノグリーンという蛍光色素を注射し、腹腔鏡で吻合を予定する腸管に色素が流れつくことを確認して、良好な血流を判断します。ジアグノグリーンは肝臓で分解され尿中に排泄されます。

保険適用年月: 令和4年4月