診療科 | 泌尿器科 |
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英語術式名 | RANU(Robot-assisted nephroureterectomy) |
保険適用 | 有 |
適応 | 周囲臓器への浸潤がなく、リンパ節や遠隔転移のない腎盂尿管癌患者さんが対象となります。 |
腎盂尿管癌に対して、現時点では手術によって摘出するのが最も有効な治療法であり、標準術式は腎尿管全摘除術です。腎盂尿管癌は多発・再発する特徴をもつため、病側の腎臓から膀胱内の尿管口までをすべて摘出する必要があります(図1)。
図1 腎尿管全摘除術と腎全摘除術の摘出範囲 (泌尿器ケア2012.(17)8より引用)
腎盂尿管癌における腹腔鏡手術は標準術式として確立されています。ロボット手術は開始されてからの期間が短いため、長期的な成績はまだ明らかなではありません。しかしながら、従来の腹腔鏡手術と比較してロボット支援手術では入院期間が短く、合併症の起こる確率も低く、周術期成績に差がないもしくは優れていると報告されています。そこで、さらに低侵襲かつ安全性の高い手術を目指しロボット支援腎尿管全摘除術を開始しております。
体位は側臥位で手術を行います(図2)。腹部には5-6本の内視鏡用トロカーを留置して、手術を行います。
尿路上皮癌の中で膀胱癌に関してはリンパ郭清をした方の予後が良くなることが証明されています。一方、同じ尿路上皮癌である腎盂・尿管癌に対するリンパ郭清に関してはまだ結論が出ていません。しかし、最近の報告ではリンパ郭清を支持する報告が多く、そのため当科では臨床病期や腫瘍部位などによりリンパ節郭清の有無や範囲などを決定しています(図3)。詳細は担当医にお問い合わせください。
図3 リンパ節郭清の範囲 (泌尿器ケア2012.(17)8より引用)
腹腔鏡手術は開腹手術と比較して、おなかを大きく切開する必要がないことが最大のメリットです。ロボット手術では、さらに高解像度の3D画像を見ながら、人間の手の関節以上の高い関節自由度を持つロボット鉗子を用いて手術を行うことで、精密な切開や縫合を素早く行うことが可能となります。
保険適用年月: 令和4年4月