概要

結節性硬化症は、てんかんや顔面のぼつぼつしたニキビ様の良性腫瘍(血管線維腫)、皮膚の白いあざ(白斑)、腎臓の腫瘤(血管筋脂肪腫)、知的障害や自閉性などを高頻度に認めます。その他に、脳(脳腫瘍や結節)や心臓(心横紋筋腫)、目(網膜過誤腫)、肺(リンパ脈管平滑筋腫症、LAM)、歯など多くの臓器に所見・症状を認めます。これらの症状は出生時より見られるものと年齢ごとに出現するものがありますが、症状の有無や程度には個人差があります。このように結節性硬化症は小児から成人にわたり、多くの臓器に異常を呈するため、総合的に診療することが大切です。症状がなくても定期的に受診することが大切です。

鳥取大学医学部附属病院では、結節性硬化症に生じる全ての症状に対して治療ができます。そこで、適切な時期に検査と治療を効率的に行う目的で、結節性硬化症診療チーム(TSC診療チーム)を結成いたしました。主な診療科を中心に、関連科と連携しながら総合的に診療します。なお、結節性硬化症はいろいろな医療費助成が受けられますが症状や重症度で判断されますので、担当医や市町村福祉担当課にご相談ください。

 

 

TSC診療チーム 担当する合併症
泌尿器科 腎血管筋脂肪腫、腎嚢胞、腎細胞癌
皮膚科 顔面血管線維腫、白斑、爪線維腫、シャグリンパッチ、線維性頭部局面
脳神経小児科 てんかん、知的障害、自閉症
放射線科 腎血管筋脂肪腫(経カテーテル動脈塞栓術)、画像診断
小児科 心横紋筋腫
脳神経外科 上衣下巨細胞性星細胞腫、てんかん
眼科 多発性網膜過誤腫、網膜無色素斑
呼吸器内科 肺リンパ脈管平滑筋腫症、治療薬の副作用確認
循環器内科 心横紋筋腫、不整脈
歯科口腔外科 歯のエナメル小窩、口腔内線維腫、治療薬の副作用確認
遺伝子診療科 遺伝相談
医療ソーシャルワーカー 医療費助成制度や福祉制度

リンク

難病情報センター

日本結節性硬化症学会