循環器内科 概要
診療内容
対象疾患
■循環器疾患(虚血性心疾患、不整脈、心不全など)
■高血圧、痛風・高尿酸血症、メタボリック・シンドロームの診断と治療
■睡眠時無呼吸症候群の診断と治療
■生活習慣病予防
当科の方針
循環器疾患・生活習慣病を有する患者さんがこの地域で安心して生活していただけるよう、最新のエビデンスに基づく診療を心がけています。
心臓カテーテル検査・治療、カテーテルアブレーション・ペースメーカー植え込み術(植え込み型除細動器・両心室ペーシングを含む)、冠動脈CT(64列MDCT)、心臓MRIなどの最先端の検査、治療、医療機器を積極的に導入しています。当科は主に心不全・睡眠時無呼吸グループ、虚血グループ、不整脈グループに分かれており、それぞれのグループが各自専門的診療、研究を行いながら、協力して診療を行っております。
外来診療では、冠動脈造影CT(MDCT)、心臓MRI、3D経胸壁心エコーや経食道心エコー、負荷心エコー(運動負荷または薬剤負荷)、頚動脈エコー、ホルター心電図、ループレコーダー、24時間血圧計、トレッドミル運動負荷試験、心肺運動負荷試験、心筋シンチグラフィー、CAVI(Cardio-Ankle Vascular Index:動脈硬化を評価する方法のひとつ)、FMD(血管内皮機能検査)など非侵襲的な手法を駆使して患者さんの病態を把握し、最適な治療方針の決定に努めております。
入院診療においては、循環器救急患者さんや重症患者さんは心血管疾患集中治療室(CCU)にて24時間体制で診療を行っています。
虚血性心疾患については冠動脈造影(CAG)に加え、冠動脈内エコー(IVUS)、光干渉断層撮像(OCT)などを駆使して冠動脈形成術(PCI)を施行し、複雑性冠動脈病変にはロータブレーター、エキシマレーザーなどで血行再建に努めています。最近では冠微小循環評価システムを導入し、虚血性疾患の診断精度向上に努めています。
不整脈に対しては、カルトシステムやエンサイトシステム、心腔内エコー(ICE)を用いた高周波カテーテルアブレーション、ペースメーカー植え込み術、植え込み型除細動器(ICD)植え込み術などであらゆる種類の不整脈治療を行っています。特に心房細動に対しては肺静脈隔離による根治術を行っており、最近ではクライオバルーンを導入することでこれまでより短時間で治療が行えるようになっています。ICDは皮下植込み型、ペースメーカーはリードレス機器の植え込みも実施しております。
心不全に対しては、急性期には陽圧換気療法(NPPV)や投薬治療のみならず、体外補助循環装置などを用いた高度な管理を行い、慢性期(安定期)に至っては、エビデンスに基づく標準的な薬物療法の遂行に努め、多職種介入による生活指導、服薬指導、栄養指導や心臓リハビリテーション・運動療法を行っております。薬物治療では十分な効果が得られない重症心不全患者さんに対しては、適応があれば心臓再同期療法(CRT)も行っております。
また、SHD(構造的心疾患)に対するカテーテル手技を用いた低侵襲治療が盛んにおこなわれるようになっており、当科でも心臓血管外科やメディカルスタッフとハートチームを形成し、これまで手術不可とされてきたハイリスクの弁膜症症例に対し、カテーテル手技での弁膜症治療を行っています。具体的には重症大動脈弁狭窄症に対して人工の大動脈弁を植え込む経カテーテル的大動脈弁植え込み術(TAVI)や、重症の僧帽弁逆流に対してクリップを用いて逆流を制御する経カテーテル的僧帽弁接合不全修復術(Mitraclip)を行っております。さらに近年では心房細動患者さんの左心耳血栓形成を予防するためのカテーテル治療である経カテーテル的左心耳閉鎖術や、潜因性脳梗塞の患者さんに対する経カテーテル卵円孔開存閉鎖術を導入しています。今後も新規の治療技術を積極的に導入することにより、これまで治療困難であった患者さまに対してより良い治療を提供できるよう努めていく所存です。
また第一内科診療科群(循環器・内分泌代謝内科学 )として、内分泌代謝内科とも協力して診療・研究に取り組んでおります。
診療科長
主任科長・山本一博教授 |
専門分野・特徴的技術
心不全・睡眠時無呼吸グループ、虚血グループ、不整脈グループに分かれて、独自の特徴を持った診療を行っております。
入院患者様の担当主治医に関しては、専門領域を超えて各グループと協力しながら担当させていただいております。
特徴的な医療機器等
- 心臓超音波装置(3D経食道エコー、カラー・パルスドップラー、組織ドップラー含む)
- 運動負荷心電図装置、心肺運動負荷テスト、呼気ガス分析装置
- ホルター心電計、イベントレコーダー心電図、携帯型血圧計
- 心臓カテーテル検査装置、心臓電気生理検査装置
- 心臓核医学診断装置
- 3Dマッピングシステム(カルト)
- 血圧脈波検査装置(Pulse Wave Velocity)、動脈硬化指標(CAVI)
- 睡眠ポリソムノグラフィーとnCPAP
- 64列MDCT(冠動脈評価)、心臓MRI検査(心筋評価)
- 大動脈バルーンパンピング(IABP)、経皮的人工心肺補助装置(PCPS)、左室補助デバイス(IMPELLA)
- ロータブレータ、エキシマレーザー(冠動脈治療)、Diamondback360(冠動脈治療)
- エキシマレーザーによるペースメーカーリード抜去術
- クライオバルーンによる冷凍アブレーション術
- 経皮的僧帽弁クリップ術 MitraClip
- 植え込み型除細動器(ICD)・両心室ペーシング(CRT-D、CRT-P)
- ヒス束ペースメーカー、リードレスペースメーカー
- 皮下植込み型除細動器(S-ICD)
- レーザーバルーンによるカテーテルアブレーション術
- WATCHMAN 左心耳閉鎖システム
- 潜因性脳梗塞に対する経カテーテル卵円孔開存閉鎖術
- COROFLOWシステムを用いた冠微小循環評価
診療実績
外来案内
初診・再診とも予約制で診療を行っております。
緊急受診が必要な場合は、電話もしくはFAXでご一報いただけますと幸いです。
※土曜日・日曜日と祝日は休診です。
初診の方へ
循環器
現在月曜日から金曜日まで外来日を設けております。新患の患者様も月曜日から金曜日まで受け付けております。睡眠時無呼吸症外来および成人先天性心疾患外来は毎週月曜日のみ、不整脈外来は火・水・木曜日となっています。
初診担当医
- 山本一博教授
- 加藤雅彦 教授
- 加藤克 講師
- 衣笠良治講師
- 松原剛一助教(統括医長)
- 平井 雅之 助教(副外来医長)
- 渡部 友視 助教(病棟医長)
- 矢田貝菜津子 助教(卒後臨床研修センター)
- 小竹 康仁 助教(副病棟医長)
- 中村研介 医員
再診の方へ
月曜日から金曜日まで外来を行っております。
患者の皆様へのお願い
当院は、重症あるいは専門診療を必要とする患者さんを優先して診療することが求められている医療機関です。
当院受診を希望されます際には、かかりつけの医療機関からの診療情報をお持ちになって受診してください。
医療関係者の皆様へのお願い
当院への受診を患者様に勧める場合、医療福祉支援センターのFAX予約サービスのご利用をお願い申し上げます。
緊急を要する場合や予約サービスを利用できない場合には、お電話でご一報ください。