作業療法のご紹介
《作業療法とは》
作業療法とは、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助のことです。作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指します。(日本作業療法士協会2018)
《当院における作業療法対象疾患》
- 脳血管障害・脳外傷・脳腫瘍、整形疾患(手外科・頚椎・大腿骨頚部骨折術後)難病・悪性腫瘍(がんリハビリテーション)・内部疾患・小児疾患・廃用症候群・精神疾患の患者さんが対象です。
- 急性期から緩和ケアまで幅広く作業療法士が関わっています。
《身体障害分野》
現在、経験年数豊かな作業療法士7名が関わっています。
身体障害分野の作業療法では、患者様がその人らしい生活を送れるよう、食べたり、入浴した
り、家事や仕事、趣味活動など人がかかわるすべての諸活動を対象にしています。
私たちは患者様の心に寄り添い、診療に取り組んでいます。
〇運動療法
運動を行うことで障害や疾患の症状の改善や予防を図ることです。
脳卒中後の麻痺や、骨折などの整形疾患、内科疾患に対する運動もおこなっています。
〇日常生活動作訓練
「ご飯を食べる」「トイレに行く」など生活する上で必要な動作を日常生活動作といいます。
日常生活動作訓練では、これらに対し、必要な能力を向上させる訓練や環境調整、介助方法の検
討を行います。
〇自助具の選定、作製
自助具とは、日常生活のさまざまな場面において可能な限り自分自身で容易に行えるように補助
し工夫された道具です。
その人に合った自助具を選定して紹介したり、作業療法士が作製したりします。
自分自身でできることが増えると生活の幅が広がります。
〇スプリントの作製
手の骨折や腱損傷の術後に、固定や安静、正しい手の肢位を保持するためなどに作製します。
〇高次脳機能評価
高次脳機能障害とは、脳組織の傷害によって生じる症状の総称です。
記憶、言語、注意、抑制、計画的行動などの機能が障害されます。
高次脳機能障害を総合的に評価するため、神経心理学的検査をおこないます。
検査結果より、どのような症状があると生活でどんなことに影響が出る可能性があるのか
一緒に考えます。
〇自動車運転再開へのアプローチ
主に脳卒中や頭部外傷後の患者様の自動車運転再開支援として、身体機能や高次脳機能評価、
簡易自動車運転シミュレーター(SiDS)評価等の支援・介入を行っています。
〇コミュニケーション手段の検討
神経難病では、言語によるコミュニケーションに支障をきたすことが多く、代替コミュニケーション機器が有用です。
意思伝達装置などの機器の紹介や使用の練習、実際に生活の中で使用できるかどうか評価を行いフィードバックします。
〇3Dプリンターを活用した道具や装具の作製
フィラメントと呼ばれる細い線状のプラスチックを原料にして、リハビリの訓練道具やその方に合った装具や自助具などを綺麗に安価で作製することが可能です。今後、3Dプリンターを活用して生活の中で使用できる道具を作製する作業療法士の活躍できる場が広がると考えています。
〇ニューロリハビリテーション
ニューロリハビリテーションとは、受傷した脳の運動回路を再構築する新しい治療方法です。
運動療法と合わせて電気刺激や振動刺激を行うことで麻痺している箇所を改善させて、脳への刺激
を高めていくことが期待されています。
《精神障害分野》
現在、1名の作業療法士が精神科作業療法を担当しています。
精神科作業療法の介入は、1階精神科病棟に入院された患者様で、医師の処方によって対象となり
ます。
お話をうかがって、「望んでいる生活」や「してみたい・興味ある作業」「目的や価値を持つ生活
行為」を明らかにし、目標と必要な取り組みを共に考え、実践していきます。
個別の関わりを基本として、集団プログラムは必要に応じて設定していきます。
診察室 個別で面談できます
多目的ホール おひとりでも、グループでも過ごしていただけます
〇精神科チームの取り組み 反復経頭蓋磁気刺激療法
(rTMS:repetitive Transcranial Magnetic Stimulation)
反復経頭蓋磁気刺激療法は、パルス磁場による誘導電流(渦電流)で特定部位の神経細胞を繰り
返し刺激して、うつ病によるうつ症状を改善させる治療法です。
刺激中のモニタリング(見守り)を講習会を受講した作業療法士などが担当します。
《当院作業療法士の所属学会》
多くの学会活動に参加しています。
- 日本作業療法士協会
- 鳥取県作業療法士会
- 日本転倒予防学会
- 日本神経心理学会
- 日本認知症ケア学会
- 日本褥創学会
- ICTリハビリテーション研究会
- MCT-Jネットワーク
《関連資格》
部内で資格取得費用の援助があるため、多くの関連資格を取得できています。
・ドライビングセラピストブロンズ認定/日本身障運転者支援機構
・SW-TEST講習修了/一般社団法人日本ハンドセラピィ学会
・認知症ケア専門士/一般社団法人日本認知症学会
・がんのリハビリテーション研修終了
・臨床実習指導者講習会修了/日本作業療法士協会
・ハンドセラピィ初級者講習受講者/日本ハンドセラピィ学会
・ハンドセラピィ触診講習受講者/日本ハンドセラピィ学会
・促通反復療法上級コース修了者/霧島リハビリテーションセンター
・運転と地域での移動に関する研修会受講者/日本作業療法士協会
・転倒予防指導士/日本転倒予防学会
・LSVT BIG認定講習者/LSVT Global Inc.
・DPAT先遣隊隊員/日本精神科病院協会、DPAT事務局
・ハンドセラピィ評価セミナー終了/日本ハンドセラピィ学会
・シーティング・ポジショニングセミナー基礎終了/シーティングコンサルタント協会
・ハンドセラピィスプリントセミナー受講/日本ハンドセラピィ学会
・リンパマッサージ基本手技コース終了/日本浮腫協会
・FIM講習会 終了
・シーティングコンサルタント基礎認定コース/シーティングコンサルタント協会
・リウマチ財団登録作業療法士/日本リウマチ財団
・3Dプリンター活用技術検定/一般社団法人コンピュータ教育振興会
・ケアストレスカウンセラー/一般財団法人職業技能振興会
2021、2022年度リハビリテーション部作業療法部門学術業績
学会発表関する経費も部内で援助を受けることができます。
2021年度学会発表(全国学会) |
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筆頭演者名 |
題名 |
会の名称 |
開催地 |
発表内容 |
開催年月 |
射場靖弘 |
当院入院脳神経疾患患者の転倒3b事例について |
第8回日本転倒予防学会 |
愛知県 |
口演 |
2021年10月 |
長尾知美 |
坐骨部褥瘡を有する脊髄損傷患者に対し再発予防教育に 問題場面の動作確認や書面による教育が有効であった 一症例 |
第23回日本褥瘡学会学術集会 |
愛知県 |
口演 |
2021年8月 |
2021年度学会発表(地方学会) |
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筆頭演者名 |
題名 |
会の名称 |
開催地 |
発表内容 |
開催年月 |
射場靖弘 |
心理的要因が関連した転倒の実態調査 |
医療機器開発人材育成講座 |
米子市 |
口演 |
2022年3月 |
射場靖弘 |
3Dプリンターを使用した自助具作成 |
第17回鳥取県作業療法士学会 |
米子市 |
口演 |
2021年10月 |
2022年度リハビリテーション部作業療法部門学術業績
2022年度学会発表(全国学会) |
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筆頭演者名 |
題名 |
会の名称 |
開催地 |
発表内容 |
開催年月 |
射場靖弘 |
脳神経疾患入院患者における転倒防止ラウンド後の転倒に 関する調査 |
第9回日本転倒予防学会 |
神奈川県 |
ポスター |
2022年10月 |
2021年度学会発表(地方学会) |
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筆頭演者名 |
題名 |
会の名称 |
開催地 |
発表内容 |
開催年月 |
射場靖弘 高橋あさひ 神門博美 |
パーキンソン病のリハビリの実際 |
パーキンソン病市民公開webセミナー |
米子市 |
口演 |
2022年8月 |
射場靖弘 |
3Dモデリングツールにて背側アウトリガースプリントを 作図し、3Dプリンターにて作成した経験 |
第18回鳥取県作業療法士学会 |
鳥取市 |
口演 |
2022年11月 |