シャント発声外来

〜喉頭を摘出し声を失った方が、再び声を取り戻すための外来です〜

シャント発声外来(喉頭・音声外来 火曜 14:00~)

〜喉頭を摘出し声を失った方が、再び声を取り戻すための外来です〜

【はじめに】

喉頭癌など、頭頸部領域の癌により喉頭を摘出すると、声を出すことが出来なくなります。

この場合の代替音声には、食道発声(空気を飲み込み胃にためて、その空気をゲップのように出すことにより声を出す)や電気喉頭による発声(首に振動する音源を当て、振動を咽へ伝えることにより声を出す)が知られていますが、もう一つ気管食道シャントによる発声方法があります。

【シャント発声とは】

気管食道の間にシャントチューブを挿入することにより、肺からの空気を食道へ伝え発声します。

利点:

・食道発声に比べ習得が容易で、長い間の発声が可能です。

・電気喉頭に比べ、より自然に近い声が得られます。

・普通と変わらない様子で声が出せたり、歌えたりします。

・食道発声が困難であった遊離空腸移植後の方でも声が出ます。

欠点:

・シャントに関わる費用が発生します。

・シャントの自己管理(毎日の掃除)が必要です。

・シャントに関わるトラブルが起きることがあります。

・手術してもシャント発声がうまくできない場合もあり得ます。

【手術方法】

局所麻酔でおこないます。

外来の診察室で、経鼻のファイバーにより施行可能です。

手術時間は10〜15分程度です。

手術は局所麻酔により外来にて行いますが、術後に発声指導や管理指導が必要ですので、一泊入院としています。

* この手術は、世界的では一般的に全身麻酔により手術室で行われます。手術時間も30分〜1時間程度かかります。しかし、鳥取大学では独自に手術方法を開発しており、一般的な方法と比べ、より早く、より安全に、より楽に、外来での手術が可能となっています。また、手術直後から経口摂取、発声練習が可能です。一般の方法では、手術後数日は経口摂取も、発声も出来ません。