形成外科 概要
診療内容
形成外科とは
形成外科は、先天性および後天性の身体外表の形、色の変化、すなわち醜状を対象とし、これを外科手技により形態(美容)解剖学的に正常(美形)にすることを手段とし、その目的は個人を社会に適応させるものです。
- 形成再建外科(先天的、後天的な形態変形に対する外科治療)
- 微小血管外科(細い血管や神経を顕微鏡で繋ぐ手術)
- 頭頸部再建外科(顔面の皮膚、骨、組織欠損の外科治療)
- 頭蓋顎顔面外科(複雑な頭蓋骨、顔面骨の骨折)
- 顔面神経外科(顔面神経麻痺の外科治療)
- 乳房再建外科(乳癌や乳腺疾患に由来する乳房欠損、変形)
- 熱傷外科
- 血管異常に対する外科(血管腫、血管異常の外科治療)
- 褥瘡予防治療対策(褥瘡の診断と予防治療)
- 創傷外科(治りにくい傷の治療)
- リンパ浮腫の治療
具体的な診療内容
- 熱傷
- 顔面骨骨折(陳旧性を含む)
- 顔面軟部組織損傷
- 手足の先天異常、手足の外傷
- 体表すべての先天異常
- 全身の良性腫瘍、母斑、血管腫、血管異常
- 頭頸部(鼻、口、喉)の悪性腫瘍とそれに関連する再建術
- 顔面、頭部皮膚の悪性腫瘍とそれに関連する再建術
- 乳房の悪性腫瘍とそれに関連する再建術
- 外陰、腹部などの悪性腫瘍とそれに関連する再建術
- 瘢痕、瘢痕拘縮、ケロイド
- 褥瘡
- 難治性潰瘍
- その他(骨髄炎、顔面神経麻痺、眼瞼下垂症、ペースメーカー合併症、さまざまな後遺症・合併症など)
専門分野と特徴的技術
- 顕微鏡下微小血管吻合(マイクロサージャリー)
- 自家組織による乳房再建
- リンパ浮腫に対する外科治療
- 陳旧性顔面神経麻痺の外科治療
- 各種血管性病変の外科治療
- 眼瞼下垂症手術
- 褥瘡の外科治療・保存的治療
- そのほか各種疾患に対する外科治療
顕微鏡下微小血管吻合(マイクロサージャリー)
顕微鏡下で直径数㎜の血管をつなぐ方法です。場合によっては、1㎜以下の血管をつなぐ場合があります。微小血管をつなぐ技術は、様々な場面に役立ちます。動脈吻合と静脈吻合に要する時間は、顕微鏡が入れば30分です。自動吻合器は時間短縮と精度向上に有用です。頭頸部や乳房などの再建だけではなく、顔面神経移植、肝移植にも用いられています。
動脈吻合:非常に細い糸でつなぎます。
静脈吻合:自動血管吻合器でつなぐこともできます。
自家組織による乳房再建術
自家組織による乳房の再建術は保険適応です。
再建術は、腫瘍の摘出術と同時に開始することも、後から行うことも可能です。乳輪乳頭が欠損している場合、乳輪乳頭も再建する事ができます。
手術方法は、さまざまあり、状況によって選択します。手術を受ける場合、受けない場合でも、お気軽にご相談ください。
尚、治療をお受けになる場合は、当院または他院乳腺外科の紹介状が必要となります。
陳旧性顔面神経麻痺の外科治療
典型的な顔面神経麻痺の症状は、眉毛・下眼瞼が下がり、目を閉じる力が弱くなり、そのため目を閉じにくくなる、口角が下がる、といったものです。これらの症状は、日常生活にとても不便で、非常に憂鬱な気分になります。それぞれの症状にあわせて外科治療を行う事が出来ます。お気軽にご相談ください。
外来案内
新来、再来共に毎週火曜日(9:00~16:00)に行っております。
特徴的技術
顕微鏡下微小血管吻合
顕微鏡下皮膚腫瘍摘出術
特徴的な医療機器等
- 手術用顕微鏡
- 赤外線観察カメラシステム
- 皮膚組織潅流圧測定器
- 経皮的酸素分圧測定器
- 微小血管自動吻合器