放射線科
診療内容
当科は大きく画像診断部門と低侵襲治療である Interventional Radiology(IVR)部門の2部門に分かれています。
- 画像診断部門
CT や MRI を中心とした断層画像、PET/CT やシンチグラフィなどの核医学検査による全身の疾患を対象とする画像診断を行っています。
画像診断は、病気の診断のみならず、病変の広がりや治療効果判定など、治療方針の決定にも非常に重要な役割を果たしています。
当科は、画像診断のなかでも、高度な撮影技術を必要とし、高度な専門性が要求される領域を担当しており、画像診断により、診療各科に極めて重要な情報を提供しています。 現在、院内で行われている検査だけでなく、他院で施行されたものに対しても、診療各科の要望に応じて診断業務を行っています。
- IVR部門
開胸・開腹することなく、カテーテルと針を用いながら、数ミリの傷跡が残るのみで手術と同等の治療効果・検査結果を得る。IVR はそれを可能とします。鳥取大学放射線科では大血管系・脳神経系を除くほぼ全領域を取り扱っており、肝細胞癌に対する TACE(経カテーテル的肝動脈化学塞栓療法)や近年増加傾向にある下肢閉塞性動脈硬化症に対する PTA(経皮的血管形成術)のみならず、関節等運動器の慢性難治性疼痛に対する TAME(経動脈的塞栓療法)、食道静脈瘤・難治性腹水に対する TIPS(経頸静脈的肝内門脈大循環短絡術)、 静脈奇形に対する直接穿刺硬化療法、類骨骨腫に対する RFA(ラジオ波焼灼療法)、原発性アルドステロン症に対する副腎静脈サンプリングなど全国的にも限られた施設しか行われていない IVR についても各診療科と連携しながら行っています。症例数は全国トップレベ ル(2023年度IVR件数全国15位、国立大学5位、中国四国2位:日本IVR学会 HP より)であり、質の高い医療を提供しております。
診療科長
放射線科医は欧米ではDoctor's doctor、すなわち、医師を指導する医師と呼ばれていますが、本邦でもこの点に関しては何ら変わりはありません。診療各科の依頼を受けて各種の画像診断を行うだけではなく、疾患に応じた検査方法の選択についての助言も行っています。
IVRについても同様で、大部分の治療は、診療各科からの要請を受けて実施しています。
放射線科の外来では、他院で実施された画像検査についての専門的なコメントを行うことや、他院からの依頼を受けて、放射線科入院でIVRを行っています。
特徴的診断・治療技術
- 3T MRI を用いた脳血管障害、認知症、脳腫瘍の診断
- SPECT による認知症の診断
- PET-CT を用いた癌の診断
- MRI を用いた産婦人科疾患の診断
- Dual energy CTや3T MRIを用いた頚動脈狭窄の診断、治療後評価
- Dual energy CTや3T MRIを用いた冠動脈疾患、心筋症の評価
- 肝細胞癌に対するTACE(経カテーテル的肝動脈化学塞栓療法)
- 下肢閉塞性動脈硬化症に対するPTA(経皮的血管形成術)
- 大動脈瘤ステントグラフト内挿術後エンドリークに対する塞栓術
- 内視鏡的治療困難な食道静脈瘤・内科的治療抵抗性の難治性腹水に対するTIPS(経頸静脈的肝内門脈大循環短絡術)
- 肩・肘・膝・股関節等運動器の慢性難治性疼痛に対するTAME(経動脈的塞栓療法)
- 類骨骨腫に対するRFA(ラジオ波焼灼療法)
- 原発性アルドステロン症に対する副腎静脈サンプリング
- 静脈奇形に対する直接穿刺硬化療法
- 症候性子宮筋腫に対するUAE(子宮動脈塞栓術)
- 脊椎圧迫骨折に対するPVP(経皮的椎体形成術) など
特徴的な医療機器等
当院の放射線部門の画像診断機器を以下に挙げますが、最新かつ高度の医療機器をそろえています。
また、手術の可能な血管造影室を完備しており、外科系診療科との連帯のもとに治療を実施する体制が整っています。
- CT (320列装置1台、Dual-energyCT2台)
- MRI (3テスラ装置2台、1.5テスラ装置1台)
- 核医学PET-CT(PET-CT装置1台、3検出器型SPECT装置1台、2検出器型SPECT-CT装置2台)
- 血管造影装置4台(IVR-CT、コーンビームCT搭載)
- 超音波診断装置
外来案内
予約や紹介状無しで来院された場合、後日診察となる場合がございます。
緊急受診が必要な場合は、電話もしくはFAXでご一報いただけますと幸いです。
※土曜日・日曜日と祝日は休診です。
患者の皆様へのお願い
当院は、重症あるいは専門診療を必要とする患者さんを優先して診療することが求められている医療機関です。
当院受診を希望されます際には、かかりつけの医療機関からの診療情報をお持ちになって
受診されることをお勧めいたします。 診療情報をお持ちにならない状態で受診されますと新たに情報収集のための時間や検査が必要となり、また他の緊急を要する患者様の診療に支障を来す可能性がありますので、追加初診料が必要となりますことをご了解ください。
また、予約患者、緊急を要する方を優先しますので、相当の待ち時間が生じることもご了解ください。
医療関係者の皆様へのお願い
当院への受診を患者様に勧める場合、医療福祉支援センターのFAX予約サービスのご利用をお願い申し上げます。
緊急を要する場合や予約サービスを利用できない場合には、お電話でご一報ください。