患者さん・ご家族向け

(1)がん遺伝子パネル検査を受ける前にご理解いただきたいこと

がん遺伝子パネル検査の実施にあたっては、担当の医師から詳細な説明を行いますが、事前にご理解いただきたいことを記載いたします。

検査等にかかる時間について

当院への紹介から、検査結果の説明までには、2~3ヶ月程度の時間を要する可能性があります。

検査結果とその後の治療について

検査の結果、効果が期待される薬剤情報が得られた場合は、その情報を提供させていただきます。ただし、本検査を利用しても、患者さんのがんの診断や治療に有用な情報が何も得られない可能性があります。

また、本検査で判明した「がん」に関係する遺伝子の異常に対して効果が期待される薬剤が見つかったとしても、患者さんのがんに対して必ず投与できる保障はありません。参加できる治験(国から医薬品の製造・販売の承認を得ることを目的とする臨床試験で、参加者には無償で薬剤の投与が行われます)がなければ薬剤は、「適応外使用(保険がきかない)」(患者さんが医療費を全額負担する自費診療)となる可能性が高く、医療費が高額となることが想定されます。

がんに関する遺伝の情報(遺伝性腫瘍)が判明する可能性について

本検査は患者さんご本人のがん組織の遺伝子変異を調べ、治療に役立つ情報を得ることを目的としていますが、検査の結果によっては、生まれつきがんになりやすい体質(遺伝性腫瘍)の可能性が分かることがあります。このような体質は家族も有している可能性があります。遺伝性腫瘍の中には、知ることによって治療薬や術式、今後の検査方針に関する有用な情報が得られるものがあり、このような遺伝性腫瘍の可能性がある場合には、知ってもらうことが推奨されています。結果を知りたいかを含め、実施にあたっては必ず担当医とご相談ください。

なお、遺伝性腫瘍が疑われる場合などは別途、遺伝カウンセリング(有償)を利用することができます。

詳しく知りたい方は、「鳥取大学医学部附属病院遺伝子診療科」のホームページ
https://www2.hosp.med.tottori-u.ac.jp/departments/medical/gene-diagnosis/)をご参照ください

がん遺伝子パネル検査に用いたデータ等の取扱い

がん遺伝子パネル検査では、第三者に患者さんの情報を提供することがあります。個人を容易に特定できない形で、個人情報保護法に則り、適切に取り扱われますが、詳細は主治医から説明を受けてください。

    (2)保険診療でがん遺伝子パネル検査の対象となる方

    「標準的な治療法が確立されていない希少がんや原発不明がんの方」又は、「標準治療が終了となった、あるいは終了が見込まれる固形がんの方」で、全身状態及び臓器機能等から、本検査施行後に化学療法の適応となる可能性が高いと主治医が判断した患者さんが、保険診療での遺伝子パネル検査の対象となります。

    詳しくは、現在、治療を行っている主治医の先生にご相談ください。

    (3)がん遺伝子パネル検査を受けるための手続き

    【当院で治療中の患者さん向け】

    現在の主治医にご相談ください。
    主治医、がんゲノム担当医等が相談の上、検査実施の可否、検査説明日等を調整し、患者さんへお知らせします。

    【他院で治療中の患者さん向け】

    患者さんからの直接の予約は受け付けておりません。まずは、現在、治療を行っている主治医の先生にご相談ください。