高度救命救急センター
1.救命救急センターの概要
2004(平成16)年10月に厚生労働省および鳥取県より救命救急センターとしての認定を受けました。これにより鳥取県西部地域を中心とした広い地域を担当する三次救急医療施設としての責任が今まで以上に明確となりました。すなわち救命救急センターは、あらゆる領域の重篤な救急患者に24時間体制で適切な医療を提供する、いわば“地域の救急医療の最後の砦"としての使命が求められます。2013(平成25)年5月よりドクターカー運行を開始し、さらに2018(平成30)年3月よりドクターヘリコプター運航を開始しました。2021(令和3)年4月には厚生労働省より高度救命救急センターの指定を受けました。
2.救命救急センターの理念
救命救急センターは、初期救急医療機関、二次救急医療機関及び救急患者の搬送機関との円滑な連携体制のもとに、重篤な救急患者への医療を確保することを目的に設置された地域の救急医療体制を完結する機能を有する三次救急医療機関です。救命救急センターの運営の核となる診療科が救急科です。
3.診療の特徴
1)重症患者を24時間、365日受け入れます。
2)ドクターカー、ドクターヘリを用いて、現場からの救急医療を実践します。
3)医学生、看護学生、研修医、医師などへの教育を行います。また地域の救急医療機関や救急搬送機関との連携を円滑にし、地域全体の救急医療の水準を高めるためには、これら関係諸機関のスタッフへの研修の場を提供します。
4)災害拠点病院として機能します。DMATの充実に努めます。
4.活動状況
ドクターカー・ドクターヘリによる出動要請は増加しており、高度救命救急センターへの入院の重症度は上がっており、高度救命救急センターで行う手術件数も増加しました。医療機器や機材の整備,高度救命救急センター内での医師や看護師への教育の充実により肺血症や多発外傷の死亡率を改善することができました。高度救命救急センターにふさわしい高度救急医療が提供されてきました。
5.診療実績
1)受け入れ患者数
2)救急車での来院数
3)ドクターカー出動件数
注)2013(平成25)年5月7日より運行開始。(病院間搬送や出動後キャンセルを含む)
4)ドクターヘリ出動件数
注)2018(平成30)年3月26日より運行開始。(病院間搬送や出動後キャンセルを含む)
5)年間重篤患者数(表)
6.今後の展望
2022年4月より県より高度救命救急センターの指定を受けたことにより、従来の診療圏の鳥取県西部・島根県東部の一部に留まらず鳥取県全域・岡山県北部・島根県東部の重症多発外傷患者・熱傷患者・中毒患者・内因重症患者及び二次医療機関から転院要請のあった事案に対しては積極的に応需していきます。つまり局所地域の拠点病院から県・地方にとっての高度救命救急センターとしての位置づけを目指します。2023年度から土曜日・日曜日のドクターカーの拡大運用を行い、積極的なプレホスピタルケアの充実を図ります。
文責)本間正人、上田敬博