総合診療外来

総合診療外来では、地域医療学講座に所属する医師が、毎日(土日祝日、年末年始除く)診療を行っております。

大学病院に来られる人の多くは複数の疾患をもち、いくつかの診療科・病院で診断に難渋している方、臓器の枠にとらわれない診療を必要とする方がいらっしゃいます。

例えば

  • 長年の腹痛や下痢で悩まれているがカメラなどの検査でも原因がわからない。
  • 体がだるく、体重が落ちてきたが原因がわからない

などです。

そこで、総合診療外来では、訴えの内容や専門性は問わず、丁寧な問診と診察を行い、必要に応じて精査をすることで、診断・治療に結びつけることを目指しています(表1)。

表1 当外来患者さんの代表的な主訴

めまい 頭痛 咳嗽 しびれ(手足)
息苦しさ 体重減少 下痢 発熱
動悸 浮腫 胸痛・胸部不快 食事量低下
腹痛 異常発汗 身体各所の疼痛 気分不良
振戦 不眠 倦怠感 腹部膨満感
異常知覚 耳鳴 頸部の腫れ など

適宜、各専門診療科と連携をとりながら診断、治療方針を考え、最終的には、表2のような炎症性疾患、精神疾患など、多様な診断に至っています。

表2 当外来を受診した患者さんの診断名

消化器系悪性腫瘍 呼吸器系悪性腫瘍 急性肺炎 伝染性紅斑
末梢神経障害 急性心筋梗塞 拡張型心筋症 前胸部激痛症候群
副腎不全 パニック障害 脳出血 注意欠陥・多動性障害
腸閉塞 鼠径ヘルニア バセドウ病 強皮症
尿路結石症 リウマチ性多発筋痛症 原発性アルドステロン症 潜水病
機能性高熱症 炎症性腸疾患 神経調節性失神 汎発性帯状疱疹
ANCA関連性血管炎 インフルエンザ 鉄欠乏性貧血 顆粒球減少症
特発性末梢性顔面神経麻痺 急性膀胱炎 偽痛風 など

お陰様で、近隣の先生方から毎週2~3名のご紹介をいただき、紹介件数は徐々に増加傾向です。なお、当外来で診療が軌道にのった後は、紹介医に逆紹介させていただいております。 また、総合診療外来では、日野病院(鳥取大学地域医療総合教育研修センター)および大山診療所(鳥取大学家庭医療教育ステーション)とあわせて、医療従事者(医師、看護師など)の育成を行っています。臨床実習、看護実習、早期体験など、数多くの医学部生が実習に参加しています。令和2年度からは、当院総合診療外来においても医療面接実習を開始しています。

さらに、職員サポート外来を開設し、職員のあらゆる体調変化に対応しています。毎週数名のスタッフの腰痛、めまい、頭痛などに迅速に対応しています。

地域の皆さんが安心できる生活を取り戻すために、私たちはつねに尽力したいと考えております。今後ともご支援とご協力をお願いできればと存じます。

(文責:浜田紀宏、谷口晋一)