緩和ケア科

令和4年度の活動状況

がん診療においては、診断早期から適切な緩和ケアの提供により生活の質の改善のみならず、延命効果もあることが報告されている。がん患者さんを中心に、診断早期から治療と並行して、体と心の痛みを和らげるための医療を提供している。令和3年度から包括的ながん医療が提供できるよう組織改編を行い、緩和ケア科/緩和ケアチームは、がんセンターの一部門である緩和ケア部門として再スタートした。

1. 緩和ケア外来

がんを患う外来通院中の患者さん、他の医療機関から紹介を受けた患者さんを対象に、体の痛みやだるさ、気持ちのつらさなど全人的苦痛に対する外来診療を実施した。

2. 緩和ケアチーム

緩和ケア認定医1名(常勤・専従)、緩和ケア専門医1名(非常勤)、身体担当医2名(消化器内科1名、呼吸器内科1名)、麻酔科医1名、精神担当医2名(精神科2名)と、がん看護専門看護師2名、緩和ケア認定看護師1名、薬剤師3名、MSW1名、歯科衛生士1名、管理栄養士3名、理学療法士2名で多職種による緩和ケアチームを構成している。カンファレンス・回診を週1回実施し、患者の苦痛を全人的苦痛としてあらゆる角度からアセスメントし、各専門的見解を以て患者の症状緩和に努めている。緩和ケアチーム紹介件数および依頼内容の年次推移を以下に示す。

今後の展望

令和4年度から緩和ケア認定医・緩和ケア専門医による専門外来を新規に立ち上げており、今後もより強固な緩和ケア診療を推進していく方針である。

小谷昌広