診療支援技術部

1. 人員体制

令和2年度における人員は常勤職員154名、非常勤職10名の総数164名であった。
内訳は次に示すとおりである。

常勤(非常勤)
検査 35(6)
病理 6
耳鼻科 3(0)
放射線 41(1)
口腔外科 6(2)
リハビリ 32(1)
臨床工学 24(0)
眼科 7(0)
全体 154(10)

役職者

部長 野上智
部長補佐 原文子
副部長 (業務・医療安全担当) 山川隆
(人材育成・教育担当) 山下栄二郎
(総務・研究支援担当) 中力直樹

2. 診療支援技術部全体の取り組み

(1)病院新採用職員へのオリエンテーション

病院新採用職員オリエンテーションに診療支援技術部として参加した。

今年度のオリエンテーションはコロナ禍ということもあり、病院の依頼によって各技師(士)長らは事前に各部署の紹介や業務上の注意事項に関する音声入りのスライドを作成し、新規採用者がこれを視聴することにより実施した。

(2)第5回診療支援技術部学術大会の開催

2021年1月30日に、診療支援技術部内での研究活動に対する知識共有化の為、「第5回診療支援技術部学術大会」を開催した。会のテーマは「変・進・力 Tough times bring opportunity 」とした。今回はコロナ禍での開催となったことから、感染対策としてサテライト会場を設定し会場からのWEB配信を行う他、各会場における換気など感染対策を徹底した。大会ではシンポジウム 「新型コロナウイルスと各領域の取り組み」を開催し、各領域のシンポジストから対応法などについて発表し、知識の共有化を図った。また、部内各職種による研究発表を行い、9演題が発表された。それぞれ専門性の高い発表であるため他の職種の者が理解しやすいよう、各発表者は発表の前段に解説を加えた。解説により参加者は他職種の視点や手法、考え方など多くを学び、また良い刺激を受けている。今後も継続的にこの大会を開催し診療支援技術部職員の研究活動を奨励し、当院の臨床力の向上に寄与することを期待するものである。

(1) 日 時 2021年1月30日 13:00~17:00
(2) 場 所 臨床講義棟431ほか、サテライト会場(7会場)へWEB配信
(3) テーマ 『 変・進・力 Tough times bring opportunity』
(4) シンポジウム 「新型コロナウイルスと各領域の取り組み」
橋本祐樹(検査技術領域)
金田昌也(放射線技術領域)
生田恵里子(歯科口腔外科技術領域)
山増圭司(臨床工学技術領域)
(5) 大 会 長 野上智(診療支援技術部長)
(6) 実行委員長 曽田武史 (リハビリテーション技術領域)
(7) 参加者数 112名

(3)学術表彰・部長表彰の実施

診療支援技術部学術大会の開催に併せて学術表彰・部長表彰を実施した。2017年度より部員の学術活動ならびに先駆的取組を表彰している。

これらの取り組みを奨励する文化を醸成し、診療支援技術部職員の研究力や臨床力の向上を図ることを目的としている。

「学術表彰」は学術活動に取り組んでいる個人に対して、その業績・功績を称えるもので、その程度により新人賞、奨励賞、功績賞の3つの賞を設定している。「部長表彰」は既存の診療活動や学術的活動の枠を超えた取り組みを行った個人またはグループに対し、診療支援技術部長が賞を与えこれを称えるものである。

なお、今年度の表彰の概要については以下のとおりである。

日 時 2021年1月30日
場 所 臨床講義棟431 表彰式の様子はサテライト会場(7会場)にWEB配信
実行委員長 橋本委員(眼科技術領域)

各賞の受賞者数
学術表彰新人賞 :3名
学術表彰奨励賞 :8名
学術表彰功績賞 :4名
部長賞 :該当なし

(4)特定任期付職員の常勤登用試験への関わり

診療支援技術部における特定任期付き職員の常勤登用試験に診療支援技術部長もしくは副部長が面接官として関わらせていただいている。これは2017年度からの取り組みであり、今年度も医療技術職からの視点を基に当院の運営に貢献できる人材の登用に資するよう関った。

診療支援技術部は病院が目指す安定した病院運営を支えると共に、高度で安全な医療技術の提供と患者サービスの向上に資することを目的とした組織であり、そのために医療人としての「人間力」、専門技術者としての「技術力」、大学職員としての「研究力」、これらを地域に活かす「地域貢献力」を踏まえた人材育成を実施している。

今後も常勤登用試験に関わりを持ち優れた人材の育成・登用に責任を持ち、病院運営に貢献していく考えである。

(5)副技師長選考、主任選考への関わり

2018年度より、副技師長選考、主任選考への関わりを開始した。2020年度は放射線部の副技師長選考に関わりを持った。

診療支援技術部としてこれに関わることにより、広い視野で医療技術職としての指導力や人格、他職種と協同し当院の運営に資する者を選考する目的で関りを持っている。このことによって当院の安心・安全な医療、先進的な医療に貢献できる組織作りを目指すものである。

(6)病棟往診時の業務円滑化への取り組み

病棟往診において同一の患者に同時に複数の医療技術職が往診してしまうという課題が部内より報告され、これを解消するために原因の洗い出しと対策について、複数回検討を行った。システム上の課題に起因するところもあり、完全な解決は困難なところも残ったが、他職種それぞれの状況を共有したことにより円滑な業務遂行に資する取り組みとなった。

3. 委員会活動

診療支援技術部には「人材育成・教育特別委員会」、「業務・医療安全特別委員会」、「研究支援特別委員」を設置している。3つの特別委員会ではそれぞれの担当副部長を委員長とし、各職種の担当者を委員として充て、月に1度の頻度で会議を開催し、各種の活動を行っている。

(1)人材育成・教育特別委員会

人材育成・教育特別委員会では、2016年度より【疾患勉強会】と【部署見学】を企画し、部内職員の育成・教育を目的とした取り組みを行っている。それらの事業は年2回の開催を計画していたが、感染拡大の観点から、疾患勉強会は1回のWeb開催を行い、部署見学は今年度中止をした。

11月にWeb開催をした第8回疾患勉強会は、テーマを「肝臓がん」として、検査部と放射線部から合計3名の職員からそれぞれの立場で、検査や治療について述べ、講演後はさまざまな部門から活発な討論がなされた。また参加者は50名を超える人数となった。

その他にも全体研修会として、3月には学内のe-learningの教材を利用して、Web上で「ストレスマネジメント」について学んだ。
引き続きこれらの取り組みを通して、互いに連携と協力をして、当院の高度医療を推進できる人材を育成していきたいと考えている。

(2)業務・医療安全特別委員会

業務・医療安全特別委員会では医療技術職が医療安全に貢献できることに焦点をあて、委員会内部を「転倒転落対策班」、「感染対策班」、「患者誤認受付対策班」の3班に分けて活動を実施している。

2020年度も1~2カ月に一回、定例の委員会を開催した。

毎回、部門ごとにインシデントを報告し、また、各班からは活動報告がなされた。

インシデント報告については、既に各部門で問題点の抽出、対策を検討したものが多かったが、他部門からの視点による意見は貴重なものであった。

コロナ禍にて、転倒転落対策班による研修会などの開催は控えたが、特に患者誤認班においては、誤認に関するインシデント事例を基に当該部門の視察、問題点の検討を行った。

医療安全取り組み報告会は、診療支援技術部による取り組み報告は実施しなかった。

業務・医療安全特別委員会ではこのような取り組みを通じ、医療技術職員として当院における安心・安全な医療の提供に貢献したいと考えている。

(3)研究支援特別委員

研究支援特別委員会では、部内職員の研究活動をより活性化させるための様々な取り組みを実施している。まず、研究初学者向けの【ミニレクチャー】、研究経験者を対象に更にレベルアップを図る【科学研究セミナー】を開催している。また、診療支援技術部の【学術大会】を年に一度の頻度で開催している。さらに、研究活動等に一定の成果をあげたものを対象に【学術表彰・部長表彰】を実施している。

今年度の開催概要については次のとおり。

①ミニレクチャー

2020年 7月22日:スライドの作り方
演 者 松重委員(病理技術領域)

2020年 9月25日:文献検索
演 者 図書館司書 足立美和先生

2021年2月24日:研究遍歴と研究の始め方
演 者 山下副部長(放射線技術領域)
射場委員(リハビリテーション技術領域)

②科学研究セミナー

2020年8月28日:統計セミナー
演 者 森下奨太 (検査技術領域)

2020年11月12日実験ノート、データの取り方、結果のまとめ方・見せ方
演 者 新規医療研究推進センター 臨床研究支援部門 遠藤佑輔 先生

【第5回診療支援技術部学術大会】

この大会の開催については当初より、本委員会が中心となり取り組んでいる。今年度はコロナ禍ということもあり、感染対策を考慮し、開催形式も本会場からサテライト会場にWEB配信するという初の試みで開催したが、子細なトラブルはあったものの概ね問題なく開催でき、参加者も過去最高の人数を記録した。

研究支援特別委員会では部内職員の研究活動を活性化させるためのこれらの取り組みにより、高度先進医療を担う当院の取り組みに貢献できる人材の育成に努めていく考えである。

【学術実績表彰・ファーストペンギン賞】

この取り組みは、当初より本委員会が企画・立案・実行したものである。今回も被表彰者の推薦依頼、賞状作成など様々な業務を実施した。

(文責 中力直樹)