がんゲノム医療センター

がんゲノム医療センターの概要

がんゲノム医療センターは、がんゲノム医療に必要な「がん遺伝子パネル検査」が令和元年6月に保険収載されることを見越して、平成31年4月に発足しました。当院では、10月より保険診療下にFoundationOne® CDx がんゲノムプロファイルを用いたがんゲノム医療を開始しました。現在、当施設で使用できる遺伝子パネル検査は保険適応のある米国製のFoundationOne CDxと、がん組織と血液を同時に解析する国産のNCCオンコパネルです。解析遺伝子数の多いFoundationOne CDxが多く選択されていますが、遺伝性腫瘍の診断が必要な場合はNCCオンコパネルが選択されます。さらに、先進医療として、解析遺伝子数が500以上あるマルチプレックス遺伝子パネル(TSO500)も行っています。そして、令和3年8月に、血液中のがん遺伝子を解析するFoundationOne Liquid CDxが保険適応となり、がん組織が利用できない症例に対し採決することでがんゲノム医療が可能となりました。現在、これら4つのパネル検査を行っており、徐々に症例数が増加しています。

令和2年度の主な事業実績

(令和2年4月1日~令和3年3月31日)

1.がん遺伝子パネル検査

がん遺伝子パネル検査は、患者さんのがんの診断や治療に役立つ情報を得るために、生検や手術などで採取されたがんの組織を用いて、次世代シークエンサー解析装置(世代シークエンサー)で、多数の遺伝子を同時に調べる検査です。

(1)FoundationOne® CDx がんゲノムプロファイル実績(保険収載)
実施診療科 件数(出検数)
消化器内科 5症例
呼吸器内科 1症例
消化器外科 6症例
整形外科 2症例
泌尿器科 3症例
頭頸部外科 1症例
女性診療科 7症例
腫瘍内科 2症例
合計 27症例
(2)OncoGuide™ NCCオンコパネル実績(保険収載)
実施診療科 件数(出検数)
消化器内科 1症例
女性診療科 1症例
合計 2症例

※ マルチプレックス遺伝子パネル(TSO500)は、令和3年5月より開始
※ FoundationOne Liquid CDxは、令和3年8月より開始

2.エキスパートパネル(expert panel)参加実績

エキスパートパネルは、がん遺伝子パネル検査の結果を踏まえ、担当医や病理医のほか、薬物療法の専門医や遺伝医学の専門医、遺伝カウンセリングの専門家、分子遺伝学やがんゲノム医療の専門家等が治療方針を決定する専門家会議です。当院は、がんゲノム医療連携病院として、がんゲノム医療中核拠点病院の岡山大学病院と連携して、毎週水曜日にWeb会議によるエキスパートパネルを実施しています。

診療科 職種等 延べ参加人数
消化器内科 医師 25名
呼吸器内科 医師 18名
消化器外科 医師 54名
整形外科 医師 5名
泌尿器科 医師 5名
頭頸部外科 医師 2名
女性診療科 医師 53名
腫瘍内科 医師 6名
遺伝子診療科 医師 41名
遺伝カウンセラー 40名
化学療法センター 医師 3名
病理部 医師 53名
臨床検査技師 6名
先進医療研究センター 医師 16名
教員 24名
医事課 事務 63名
合 計 414名

3.講演会等の啓発活動

(1)令和2年9月8日 山陰がんゲノムフォーラム in ZOOM
  • 司会
    藤原義之(がんゲノム医療センター長)
    中村誠一(鳥取県立中央病院 外科 部長(統括)※当時
  • 講師
    大石徹郎(がんゲノム医療センター副センター長)
    野坂加苗(病理学)

がんゲノム医療センター長 藤原 義之