化学療法センター

鳥取大学医学部附属病院化学療法センターは、平成27年10月に設立された。県がん診療連携拠点病院として質の高いがん診療体制を確保し、最新の情報や研修の場を提供している。

1.外来化学療法室

近年、副作用の少ない新規薬剤の登場や副作用管理の飛躍的な進歩により、がん薬物療法は外来でも安全に受けていただけるようになり、外来化学療法の件数は年々増加してきています(図1)。当院の外来化学療法室は、20床の治療ベッドを有し、がんに対する殺細胞性抗癌剤、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬など抗腫瘍薬や関節リウマチ、炎症性腸疾患、皮膚疾患に対する生物学的製剤の投与を行っており(図2)、令和2年度は、7656件の外来化学療法を施行しました。今後もより安全で質の高い治療を提供し、患者さんに安心して外来化学療法を受けていただけるようにしていきたいと考えております。

(図1)外来化学療法件数の推移
(図2)投与薬剤の種類・割合

2.化学療法審査専門部会

化学療法審査専門部会では、化学療法レジメンの定期的な審査を行っており、令和2年度には57件の新規レジメン登録を行いました。その他、がん薬物療法に関する院内ルールの制定・改訂や支持療法を含めた対応、マニュアル作成など、医師、看護師、薬剤師、栄養士などの多職種から構成されるメンバーで広く意見交換を行っています。

3.irAE対策チーム

近年、免疫チェックポイント阻害薬の使用頻度が増加し、その有害事象である免疫関連有害事象(irAE)マネジメントの重要性が高まっています。当院では2020年11月にirAE対策チームを設置し、医師、看護師、薬剤師などの多職種から構成されるチームでirAEマネジメントに取り組んでいます。

4.教育・研究支援

公開教育セミナーをがんセンター、緩和ケアセンターと共同で開催しています。

文責)矢内正晶