卒後臨床研修センター

本センターは平成14年1月に設置されました。平成16年から必修化された臨床研修の基幹型研修病院として、研修プログラムの企画立案、実施とその達成状況の把握、研修医に対する助言や指導の支援、研修の質向上のための体制づくり(臨床研修指導医(指導医)のための指導医講習会の開催)などの実務を行っています。

本センターは現在、初期臨床研修部門と専門教育研修部門の2部門制となり3名の専任教員(うち副センター長2名)と7名の専任事務職員、さらに各診療科から選出されたセンター教員18名が研修支援に携わっています。

センター教員は研修プログラムの中の必修科目・選択必修科目を指導する診療科から選出されています。

卒後臨床研修委員会には看護部・検査部・薬剤部・事務部からも委員が参加しており、研修の質の向上と安心して研修できる体制づくりを目指しています。

本院の研修理念は

「将来、医療現場のリーダーとしてふさわしい安全・安心で、最高・最適な医療を提供できる優れた医療人となるために 医師としての高い倫理性・道徳性を修得する 常に患者および家族の立場に立ち、医療を実践する 日常診療で頻繁に遭遇する病態・疾患に適切に対応できる基本的臨床能力(知識、技能、態度)を修得する」です。

ローテーション研修中の限られた担当分野の医療スタッフだけでなく、本院の多分野・多職種連携によるチーム医療、医療安全や感染対策講習を通じ、病院ぐるみの研修医養成を推進しています。

以下に平成30年度の取り組みを記します。

  1. JMECC講習会(内科救急+ICLS)を2回(平成30年4月6日、11月23日)開催しました。第1回には、プレローテ中の研修医も参加しました。
  2. 卒後初期臨床研修プログラムの作成、公表を行いました。小児、産婦をはじめ外科、精神科、救急、関西たすきがけ、山陰たすきがけプログラムを作成しました。
  3. 鳥取県地域医療サマーセミナー、鳥取県地域医療スプリングセミナーで鳥取大学医学部附属病院として医学生の見学を受け入れました。
  4. 平成31年度の研修医採用面接試験を8月に1回、9月に2回、計3回行いました。平成30年度の初期臨床研修マッチング結果は、本院は医科20名(マッチング率45.5%)、歯科2名(マッチング率40%)でした。
  5. 指導医養成講習会を平成30年10月13,14日に開催しました(共催:鳥取県臨床研修病院協議会)。
    山陰および関西から36名が受講しました。
  6. 鳥取大学附属病院の「専門研修プログラム領域別説明会を開催しました(卒後臨床研修センター 専門教育研修部門)。
    平成30年7月16日に開催しました。17領域のプログラム別にブースを設置しました。32名の研修医が参加しました。
  7. 医学科講義のキャリア教育をワークライフバランス支援センターと共同で医学科1年生、2年生、4年生の学年で実施しました。クリニカルクラークシップ開始直前の医学科4年生の講義では、初期臨床研修制度や専門医など医師のキャリアパスについて説明を行い、当院初期研修医体験談を聞く時間を設けました。
  8. 「第2回結紮王〜縫合・結紮コンテスト〜」を平成30年7月28日に開催しました(共催:低侵襲外科センター)
    基本手技である「縫合」などの技術向上と研修モチベーションアップを目的にしたものです。本院及び本院の山陰たすきがけプログラムに参画している鳥取県、島根の合計8病院に在籍する研修医18名、学生2名が参加しました。
  9. 鳥取県臨床研修セミナーを開催しました。
    平成31年2月15日「君はシマウマの夢を見るか?—臨床推論用語集」松江赤十字病院長 大居慎治先生 Zebraシマウマは、医学用語としてcommon diseaseを表します。common diseaseもrare diseaseも診断できる医師になるために知っておきたい診断プロセスについて、実際の貴重な症例を交えながらわかりやすくお話いただきました。鳥取県内の研修医54名、指導医・上級医10名、医学科生7名が参加しました。
  10. 平成30年度臨床研修修了式を平成31年3月27日に行い ました。今年度医科27名、歯科1名が初期臨床研修を修了しました。併せて、平成30年度ベストレジデント3名と優秀指導医賞7名を選出し、表彰しました。
  11. 教育セミナー・総合プログラムを年間25回開催しました。
  12. 「研修センター便り」の発行や、鳥取大学の学生との面談を行い、卒後臨床研修の情報提供や学生の動向調査を行いました。

(山田七子 )