高圧酸素治療室

平成30年度の治療実績は,17名の患者に対して,延べ267回の治療を行い,平成29年度の197件に対し,100件増加した.第一種高気圧酸素治療装置のみの運用であるため,救急的適応と減圧症,重症患者の治療ができず,減圧症に関して問い合わせがあるが,現在の安全基準では1人用の第一種装置での減圧症に対する再圧治療が認められておらず,他府県の病院に流れている.

適応疾患の内訳は,放射線治療後の軟部組織潰瘍や骨髄炎や突発性難聴,顔面神経麻痺,感染症と創傷治癒となり例年と同様の内容であった.

全国的には,放射線治療後の軟部組織障害に対する治療や糖尿病患者の救肢目的での使用が増えてきている.その中で,高気圧酸素治療の診療報酬点数は200点から診療報酬が3000点へと増加し,治療回数の上限も疾患により10回,30回と規定された.

今後もEBMを参考にしながら,適切に治療を行い,さらなるEBMの充実に寄与していきたい.

(南ゆかり,松上紘生)

平成30年度高気圧酸素治療の治療回数内訳
平成30年度高気圧酸素治療の患者内訳