低侵襲外科センター

鳥取大学医学部附属病院低侵襲外科センターは平成23年2月に設立されました。このセンターの使命は、先進的な低侵襲手術(ロボット手術、鏡視下手術、カテーテル手術等)をより安全に患者さんに提供することであり、そのための医療安全管理体制の確立と若手医師の教育システムを構築することです。現在この目的は達成され、全外科系診療科(泌尿器科・消化器外科・女性診療科・胸部外科・頭頸部外科・心臓血管外科・整形外科・脳神経外科)が垣根を越えて切磋琢磨し新規技術の導入に努め、麻酔科、手術部看護師、臨床工学技士、医事課の中央部門と協力し、最先端の医療を安全に提供できる体制となっています。具体的には新しい術式・ロボット支援下手術に関する術前術後カンフアレンスを2週に一度に開催しております。全診療科の医師、研修医、手術部看護師、臨床工学技士が集合し手術適応、手術手技の妥当性、合併症などについて検討し、情報共有を行っています。 念願だったロボット支援手術の保険が新たに12術式に適応され、平成30年12月には第4世代の手術支援ロボット“ダビンチXi"と"ダビンチX"をダブル導入いたしました。 ロボット支援手術は平成30年度末で通算957件となりました。比類のない協調性と透明性をモットーとして、他施設の規範となるような鳥大方式とよばれる一歩先の低侵襲外科治療を広く発信し、これからも患者さまの"心と体"の両方に優しい低侵襲手術に万全を尽くして参ります。

平成30年度の主な活動

  • 7月28日 卒後臨床研修センターの後援として第2回「結紮王・真皮縫合コンテスト」を開催しました。鳥取、島根、岡山の10病院で研修中の初期研修医16名と学生2名が参加し、練習の成果をブタの皮膚モデルを用いて競い合いました。
  • 11月18日 医学科生(1年生~5年生)を対象とした第4回低侵襲外科体験セミナーを開催しました。低侵襲外科センターに所属する8診療科、および看護部の最先端の医療機器を用いた模擬手術や手技を体験しました。最後に、教官の採点による各学年の優秀者を表彰しました。
  • 10月~3月末 第3回骨盤外科ローテーションを行いました。泌尿器科、女性診療科、消化器外科の若手医師が各科を3か月おきにローテーションし、骨盤解剖の理解、術後管理、さらに、排尿、生殖、排便機能に関する総合的理解を深めました。ここでも診療科の垣根を超えた低侵襲外科センターの役割を果たすことができました。
  • 3月2日 ロボット手術体験ツアーを開催しました。近隣の住民(中学生以上)44名が参加し4つのグループに分かれて、手術支援ロボットダビンチの体験・内視鏡手術の体験・手術室見学・手術器具の体験をしました。

低侵襲外科センター長 中村 廣繁