第三内科診療科群

第三内科診療科群は呼吸器内科・膠原病内科として、肺癌・COPD・気管支喘息・呼吸器感染症・びまん性肺疾患などの呼吸器疾患やSLE・関節リウマチ・強皮症などの自己免疫疾患患者の診療を担っております。肺癌診療では胸部外科・放射線治療科と合同で週に一回のキャンサーボードを開催し、膠原病診療では小児科・整形外科と合同カンファレンスを開催しており、常に適切な医療を病院全体で行えるよう他科と共同して日々の診療を行っています。近年、肺癌に対する免疫療法を軸とする新たな抗癌剤治療や、自己免疫疾患に対する免疫抑制剤や生物学的製剤の適応拡大、難治性気管支喘息に対する抗体療法や特発性間質性肺炎に対する抗線維化薬の開発など呼吸器・膠原病疾患に対する治療は日進月歩の進化を見せており、これらの新規医療を適切に患者さんに届けることが、呼吸器・膠原病診療を担う我々の使命と考えています。

当科の診療実績としましては、2018年度の新入院患者数は953人(延べ患者数は16748人)、新外来患者数は555人(延べ患者数は23941人)でした。当科において新たに肺がんと診断され手術以外の治療を受けた患者は75人、1次治療として、放射線±化学療法や従来の殺細胞性抗癌剤以外にも近年のガイドライン改訂に伴い適応のある患者には分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害剤による治療が導入されています (表1)。1次治療導入後も主に外来で治療継続しており、当科通院の患者様のうち外来化学療法室で治療を受けた肺癌患者は1年間で延べ918人でした。気管支喘息発作のために入院した患者は18人(延べ30人)、難治性喘息患者に対する抗体療法は26人の患者に使用しており、そのうち12人に対して新たに導入しています (表2)。びまん性肺疾患と診断した患者は173人、そのうち特発性間質性肺炎の患者は58人でした (表3)。これらの患者のうち抗線維化薬を投与している患者は16人、そのうち新たに10人の患者さんに対して導入しています。膠原病診療に関しては、表4に示すように多彩な自己免疫疾患患者に対して外来・入院診療を行っております。

多種多様な疾患に対応して、ガイドラインに則った標準治療を適切な患者に対して確実に施行することに加え、教室全体として国内外で開発中の薬剤に関する治験などにも積極的に参加しています。2018年度鳥取大学医学部附属病院は、呼吸器診療に関する治験10件と膠原病診療に関する治験1件の参加施設となっており、地域の人々が都市圏の病院に行かなくても、当院で最新の治療が受けられる体制を構築することにも努めています。日々新しくなる呼吸器・膠原病内科診療を迅速に取り入れるとともに、地域の中核病院として患者さんにとって何が最適であるかを常に考えながら、今後もより一層診療レベルの向上に努めていきたいと考えております。

文責)牧野晴彦

(表1) 手術不能新規診断肺癌患者一次治療方法

新規肺癌患者 (手術不能) 75人
治療方法 放射線単独 8人
放射線化学療法 10人
抗がん剤治療 57人
殺細胞性抗癌剤 33人
分子標的治療薬 16人
免疫チェックポイント阻害剤 8人

(表2) 難治性喘息患者入院数と抗体療法導入数

新規入院患者数    18人 延べ入院患者数    30人
難治性喘息患者に対する抗体療法 使用症例 26人
新規導入 12人

(表3) びまん性肺疾患新規診断患者数

特発性間質性肺炎 58人
膠原病肺 46人
過敏性肺炎 12人
薬剤性間質性肺炎 24人
その他 33人
合計 173人

(表4) 各自己免疫疾患患者数

  外来(人) 入院(人)
全身性エリテマトーデス 136 19
皮膚筋炎/多発性筋炎 59 13
全身性強皮症 102 6
混合性結合組織病 26 3
シェーグレン症候群 154 17
ベーチェット病 32 1
成人発症スティル病 22 4
関節リウマチ 113 12
高安動脈炎 18 2
顕微鏡的多発血管炎 32 16
その他 33 8
合計 727 101

(合併している自己免疫疾患もそれぞれの患者数として計上しています)