高次集中治療部
集中治療部開設が1991年。すでに20年以上の歴史を有します。HCUと合併されて高次集中治療部となったのが1997年、第Ⅱ集中治療室が開設されたのが2008年。第Ⅰ、第Ⅱの各ICU及びHCUの入室患者重症度も各医師に定着して混乱がなくなり、それにともなって高次集中治療部内および他病棟との移動もスムーズになってきました。
救急棟が立ち上がり、救命救急センターの外来部分、ベッドも平成24年度にはそちらに移り、NICUも移るようです。棟が変わって患者移動が大変ですが、今後とも協力して集中治療の発展を目指したいと考えます。
(齋藤憲輝)
高次集中治療部第一ICU
当院の第一集中治療室の患者さんは半分以上が手術後です.
術後の回復を促すために,私たちは,より早い人工呼吸器から離脱,より早い飲水,食事の開始,より早い立位,歩行の開始を目指しています.これには患者さんご自身,またご家族の協力が不可欠です.患者さんたちも手術の次の日くらい寝ていたいとお考えかもしれませんが,呼吸器合併症や深部静脈血栓症といった術後合併症を減らすためにも,昼間は起きて,夜ぐっすり眠るというメリハリのある生活をしていただくためにも,ぜひ積極的にご理解お願いいたします.
もちろん,身体的に無理がないか常に近くで見守っております.また痛みがあっては動けませんので,痛いときは遠慮なくおっしゃって下さい.点滴や機械がたくさんついていては動けないとお思いでしょうが,いらない点滴や管はより早期に,ただし安全に,日々近くに医師,看護師がいて評価しております.
ご意見,ご感想ありましたら,遠慮なくおっしゃって下さい.
(高次集中治療部 南 ゆかり)
高次集中治療部ICUⅡ、HCU
入室患者数は、H22年度に比べ、ICU IIでは39人減の1465人、HCUでは84人増の840人、全体としては45人増の2305人であった。在室日数は、ICU IIでは平均3.7日で昨年度同様、HCUから一般病棟への転棟が困難な場合も見られたが、実際にはHCUの在室日数は、平均4.1日と昨年度より0.6日短縮した。各科の担当医、病棟医長の御協力、ベッドコントロールセンターの稼働および利用によるものと思われる。
診療科別では、ICU IIでは消化器外科、心臓血管外科、脳神経外科の入室が多く、昨年度同様であり、HCUでは脳神経外科、乳腺外科、消化器外科、循環器科の入室が多かった。入室区分では、ICU IIにおいては通常(予定)入室が7割を占め、HCUでは通常入室、緊急入室の割合は同程度であった。
疾患別では、ICU IIでは循環器系疾患、消化器系疾患、呼吸器系疾患、神経系疾患、尿路生殖器系疾患、新生物が上位を占めており、昨年度とほぼ同様の入室者数であったが、尿路生殖系疾患は昨年度より35人の増加が見られた。HCUでは、昨年度は循環器系疾患が最も多かったが、本年度は神経系疾患が増加し最多となった。
月別の入室者数は、ICU IIでは、2月が最多の140人であったが、各月でのばらつきは少なかった。また、月別入室者数に占める通常入室の割合は6月、11月で少なく、7月から9月にかけて多い傾向であった。HCUでは平均64人/月の入室があり、12月から2月にかけて多かった。
ICU IIでは、術後管理や一般病棟での急変患者の全身管理などを主にしているため、ベッドコントロールが予測通りにならないことが多い。しかしながら、HCUも含め全22床をICU日当直医、病棟看護師長が各科病棟医長、担当医と連携し、何とか調整を行っている状態である。このような状況において、救急外来や各科外来からの緊急入室においては、救命救急センターの空床がある場合にはそちらに依頼して頂くよう、各科担当医や当直医の先生方からの入室依頼をお断りすることもあるが、御理解と御協力を願うところである。
先日、ICU IIに入室された患者さんの家族の方から、頻回の訪室や優しい声かけを含めた熱心な看護に対する感謝の言葉を頂いた。高次集中治療という高度の医療が要求される繁忙な業務の中ではあるが、このような言葉を励みにさらに向上、前進できればと思う。
(尚、統計には、H22年4月1日からH23年3月31日までの入室がない科については紙面の都合上から割愛している。)
(高次集中治療部 石橋美名子)