総合周産期母子医療センター
平成18年7月1日に、鳥取県から本院が総合周産期母子医療センターとして指定され、7月14日から運用を開始いたしました。当センターはMFICU6床を含む母体・胎児部門20床とNICU9床・GCU9床を含む新生児部門18床(平成24年度にNICU12床・GCU15床に増床予定)と分娩部門から構成されています。当センターは厚生労働省の周産期医療対策事業に基づいて運用されており、他の医療機関から患者様の救急搬送の受け入れと治療を本センターの重要な機能としています。
母胎・胎児部門は主として、早産児・低出生体重児の出産が予想される場合等、他の医療機関の医師が搬送を必要とした患者様を受け入れます。また新生児部門は、低出生体重児に加えて、呼吸、循環、神経症状・腹部症状、黄疸、重症仮死等の症状により、他の医療機関の医師が搬送を必要とした患者様を受け入れます。
当センターでは産科や新生児科だけでなく、脳神経小児科、小児外科など、種々の専門家の協力を得て、如何なる合併症を持つ妊婦さんでも妊娠中から産後まで、そして最重要の新生児ケアを「総合的」に行うことができる医療施設を目指します。ハイリスク妊婦の分娩を当院内で行うことにより、病的新生児・早産児の初期治療を充実させ、新生児搬送に伴うリスクを回避することが出来ますし、ハイリスク妊娠分娩について、妊娠早期から母胎・胎児・新生児の管理、治療を一貫して行うことが可能となります。
当センターではこのような医師・看護師の充実と最新の機材を用いて、おかあさんと赤ちゃんの生命と健康を守るために、県内全域の周産期医療機関と協力して、全力をつくしていきたいと考えております。
副センター長 村上 潤
副センター長 岩部 富夫
平成23年度の症例、活動
【母体胎児部門】
- 分娩件数(母体数) 355例
単胎 333例
多胎 22例 - 分娩数(総出生児数) 376例
生産 354例
死産 22例(22週未満17例、22週以降5例) - 他施設からの紹介
母体搬送 108例
外来紹介 190例
当 院 117例 - 分娩様式(22週以降) 339例
経腟分娩 211例(うち多胎 8例)
吸引分娩 17例(うち多胎 2例)
帝王切開 111例(うち多胎 11例)
予定帝王切開 69例(うち多胎 5例)
緊急帝王切開 42例(うち多胎 6例)
※緊急帝王切開の適応
骨盤位、既往帝切の陣発、破水 14例
胎児機能不全 4例
分娩停止 1例
妊娠高血圧症候群 4例
前置胎盤などの母体出血 2例
胎盤早期剥離 3例
その他 14例 - 早産児の母体疾患
前期破水 24例
切迫早産 16例
前置胎盤 3例
妊娠高血圧症候群 6例
子宮内胎児発育不全 6例
胎盤早期剥離 1例
その他 12例
【新生児部門】
- 症例
入院数304人
院内出生 241人(79.3%)/院外出生 63人(20.7%) - 出生体重別
~999g 10例
1000~1499g 12例
1500~1999g 21例
2000~2499g 85例
2500g~ 176例 - 呼吸管理症例数
人工換気 40例/持続陽圧呼吸(人工換気と重複あり) 35例 - 主な疾患
呼 吸 器 疾 患 68例 呼吸窮迫症候群、胎便吸引症候群、気胸、慢性肺疾患など
先天性心疾患 12例 心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、肺動脈狭窄症、大動脈離断症など
内 分 泌 疾 患 29例 高インスリン性低血糖症、甲状腺機能異常など
外 科 症 例 6例 食道閉鎖、鎖肛など
中枢神経疾患症例 3例 頭蓋内出血、脳室拡大、裂脳症
そ の 他 骨髄異形成症候群など - 他施設への搬送例
院内小児病棟へ転棟 3例
他施設(診療所、病院)への逆搬送 7例
他の医療機関への搬送 12例 - 新生児部門における有資格者
周産期(新生児)専門医 3名(うち1名は暫定指導医)
小児循環器暫定指導医1名
新生児蘇生プログラムインストラクター 4名
新生児集中治療認定看護師1名
国際ラクテーションコンサルタント3名 - 新生児部門の活動
NICU長期入院児から小児の在宅医療に関する講習会
新生児の光環境勉強会
Post-NICUと在宅重症児の対応に関する勉強会
第149回周産期母子医療研究会
第10回カンガルーファミリーの会