3-3-14. 高圧酸素治療室
平成21年度の総治療回数266回に対し、今年度は360回と大幅に増加した。その要因として本年度は救急適応である一酸化炭素中毒の患者が多かったことと、蜂窩織炎、壊死性筋膜炎、脊髄炎など整形外科的な疾患が多かったことにある。一方、高圧酸素治療の絶対的適応である減圧症は、昨年度の8回から1回に減っている。これら適応疾患の変化はあるが、救急災害科、整形外科、耳鼻科などよく利用していただいている科は、やはり本年度もよく利用していただいている。放射線障害による治療回数も多いが、もう少しがんの治療に利用していただければという気がする。
現在、高圧酸素治療室の主たる使用機種である第2種治療装置も、オーバーホールの時期に来ており、病院幹部と今後の方向を検討しているが、病院経営の面からは廃棄が望ましい。一方、社会的要請の面からは、廃棄ということが難しい。
2年前に、日本高気圧環境・潜水医学会中国四国地方会が立ち上がり、来春、第3回の学術集会を米子の地で行うことになっている。
(齋藤憲輝)
統計
疾患名 | 救急適応 | 非救急適応 | 総計 |
---|---|---|---|
T10脊髄損傷 | 6 | 6 | |
ガス壊疽 | 6 | 6 | |
一酸化炭素中毒 | 42 | 6 | 48 |
右膝部蜂窩織炎 | 10 | 10 | |
壊死性筋膜炎 | 26 | 26 | |
間歇型一酸化炭素中毒 | 15 | 15 | |
関節炎 | 22 | 22 | |
頚椎・腸骨部術後MRSA感染症 | 8 | 8 | |
減圧症疑い | 1 | 1 | |
骨髄炎 | 10 | 10 | |
左臀部辱創感染 | 20 | 20 | |
脊髄炎 | 39 | 39 | |
脊髄神経疾患 | 29 | 29 | |
突発性難聴 | 53 | 53 | |
放射線性頚部組織障害、左脳梗塞 | 5 | 5 | |
放射線性脊髄神経疾患 | 37 | 37 | |
放射線性膀胱炎 | 19 | 19 | |
膀胱内出血(潰瘍性?) | 6 | 6 | |
総計 | 42 | 318 | 360 |
診療科別 | 救急適応 | 非救急適応 | 総計 |
---|---|---|---|
救災 | 42 | 22 | 64 |
耳鼻 | 58 | 58 | |
整形 | 126 | 126 | |
脳内 | 81 | 81 | |
泌尿器 | 25 | 25 | |
麻酔 | 6 | 6 | |
総数 | 42 | 318 | 360 |