3-3-13. がんセンター

鳥取大学医学部附属病院がんセンターの使命は、県がん診療連携拠点病院として高いがん医療体制を確保し、地域がん診療連携拠点病院をはじめとする地域医療機関との連携を図るとともに最新の情報や研修の場を提供し、さらにはがん薬物療法専門医をはじめとするがんの専門職を育成することにある。本センターは大学病院のがんセンターとしては全国有数のスペースを有し、化学療法から緩和ケアさらには相談支援まで幅広いがん医療が行える施設である。

1.外来化学療法室

QOLの改善と医療経済の面からも外来化学療法はますます広がることが予測される。化学療法レジメの審査委員会や化学療法認定看護師の採用など、その整備と充実に努めている。 1年間の外来化学療法の症例数を表1に示す。

2.緩和ケア

がん診療における緩和ケアの充実が求められている。麻酔科医師、精神科医師、がんセンター医師、がん看護専門看護師、緩和ケア認定看護師、薬剤師、臨床心理からなる緩和ケアチームが活動している。カンファレンスを木曜、回診を金曜に、週1回実施している。

3.がん登録

がん診療連携拠点病院においては、院内がん登録の推進は必須である。事務員3名で登録作業を実施。平成20年8月より、症例抽出・データ入力・登録を事務が行い、各診療科は確認作業のみを行っている。登録状況を表2に示す。

4.教育・研究支援

がんプロフェッショナル養成プラン(鳥取・島根・広島の3大学のコンソーシアム)を遂行。公開教育セミナーを主催。がん診療連携協議会の事務局を担当している。

5.患者相談支援
患者支援のために、医療福祉センターと協力して支援室を開設している。がん患者サロン(さくらサロン)を運営。
6.リンパ浮腫外来
週1回(木)にリンパ浮腫外来を開設した。完全予約制で私費診療である。
7.スキンケア外来
外科医とWOCNの資格を持つ看護師が担当し、ストーマの診療にあたっている。さらに、院内外の看護師に対する教育活動やストーマ保有者の支援も行っている。
表1.平成22年度 外来化学療法件数
診療科件数
消外1303
呼吸785
消内497
女性414
乳腺276
胸外266
泌尿155
整形208
血液187
耳鼻61
眼科5
口外3
放射線1
皮膚5
合計4166
表2.平成22年度 院内がん登録の病名件数
部位(コード) ※ICD-03登録数
口腔(C000-C089) 49
咽頭(C090-C148) 24
食道(C150-C159) 51
胃(C160-C169) 218
結腸(C180-C199) 106
直腸肛門(C209-C218) 47
肝(C220-C221) 70
その他の胆道(C239-C249) 27
膵(C250-C269) 43
喉頭(C320-C339) 23
肺(C340-C349) 188
皮膚(C440-C499) 110
乳房(C500-C509) 78
子宮頚部(C530-C539) 55
子宮体部(C540-C559) 29
卵巣(C569-C569) 22
前立腺(C619-C629) 95
腎(C649-C669) 41
膀胱(C670-C679) 52
脳神経系(C710-C729) 45
甲状腺(C739-C749) 39
内分泌腺(C750-C759) 14
原発不明(C809-C809) 3
その他 35
部位(コード)※ICD-10
悪性リンパ腫(C81-C85・C96) 27
多発性骨髄腫(C88-C90) 2
白血病(C91-C95) 28
合計数 1521