3-3-17. 超音波室

超音波室

循環器内科、内分泌代謝内科(第一内科)

心臓超音波では、最新の機器を駆使して心臓の収縮能や拡張能、壁運動異常、弁膜症、短絡疾患の有無などの評価を行っております。循環器疾患の患者のみでなく、手術を控えている方や多くの合併症を抱えている方の心機能評価も幅広く行っています。
また、症例によっては薬剤や運動負荷心エコーにて、虚血性心疾患のスクリーニングや弁膜症の重症度評価を行っています。さらに経食道心エコーでは、弁の性状を詳細に評価したり、心内血栓の有無を検索し心原性脳塞栓症の予防、治療方針決定に用いています。(循環器内科 加藤雅彦)

消化器内科、腎臓内科(第二内科)

腹部領域疾患のスクリーニング検査のほかに、慢性肝疾患患者に対する肝癌早期発見のための定期検査を主に行っています。また、最新のカラードップラー装置、造影超音波装置の導入により各臓器の機能診断が可能となり、特に造影超音波検査は腫瘍の鑑別診断、治療効果判定に応用されています。また、マイクロ波凝固装置、ラジオ波凝固装置によって肝癌の治療、消化管出血の止血等を行っています。内視鏡検査との組み合わせで超音波内視鏡検査も行っており、消化器癌の深達度診断、鑑別診断、さらに膵臓疾患の診断に超音波内視鏡下の針生検も増加しており、早期膵がんの診断に役立てています。

鳥取県西部腹部超音波研究会を、大学、医師会を中心に行い、新しい超音波診断の普及、若手医師、技師の教育育成にも力を入れています。(消化器内科 孝田 雅彦)

頭頸部外科エコー(耳鼻咽喉科・頭頚部外科)

火曜日と木曜日の午前枠において、頭頸部腫瘍や感染性疾患などを対象とした検査や治療、および頸部スクリーニング検査を行っております。

頭頸部腫瘍においては、Bモードエコー所見に、ドップラーやエラストグラフィーを組み合わせることにより、術前評価・術後のフォローを高い精度と小さな侵襲で行うことが出来ます。

甲状腺疾患においては、診断から、細胞診、術式の決定まで行います。主な対象は手術加療を必要とする甲状腺腫瘍、副甲状腺腫瘍、甲状腺機能性結節やバセドウ病などです。橋本病や悪性リンパ腫の診断(と加療)も行っています。火曜日は甲状腺外来と並列で行っており、外来受診日に精査が可能です。また、甲状腺嚢胞などを対象に、経皮的エタノール注入療法(PEIT)も行っております。

他臓器原発悪性腫瘍による頸部リンパ節転移を疑う症例においても精査し、必要な場合にはエコー下に穿刺吸引細胞診(FNAB)を施行し診断します。

悪性リンパ腫の診断、再発診断にもエコーは有用です。必要なときは、エコー下穿刺による組織診を行ったり、生検の手術を予定したりします。

頸部のリンパ管腫に対してのOK-432の注入療法も行っております。

自己免疫性の唾液腺疾患などのエコー診断も行います。(耳鼻咽喉科・頭頸部外科 福原隆宏)

小児科

小児科では、対象疾患として先天性心疾患、不整脈、川崎病関連冠動脈障害、成人先天性心疾患、その他に学校検診、乳児検診などで心電図や心雑音等の異常を指摘された患者の精密検査を行っています。また当院の総合周産期母子医療センター新生児集中治療部門(NICU)にて新生児専門医、産科医とともに胎児・新生児心疾患の診療にも当たっています。そのため、小児科の心臓超音波検査では先天性心疾患の診断や治療の方針決定、手術症例では術後のフォローアップ、冠動脈異常の評価などを行うこと、また必要に応じて手術施設や近隣各医療施設に対する情報提供を行うことを目的としています。

検査部

超音波検査は、心臓・腹部・甲状腺・血管(頸動脈、下肢静脈)領域に大別され、生理機能検査部門の検査技師が心臓領域に3~4名前後、腹部領域に4名、甲状腺に2名、血管領域に4名前後が交代で従事しています。従事している技師は日本超音波医学会をはじめ日本超音波検査学会、日本心エコー図学会などに所属し、各学会や研修会に積極的に参加しています。超音波検査士の取得者は現在5名おり、複数領域取得者もいます。
超音波件数は年々増加しており、特に下肢静脈エコーの依頼が急増しています。予約制を基本としていますが、当日依頼にも可能な限り対応しています。(原 文子)

平成22年度超音波件数

心エコー 腹部エコー 頚動脈エコー 甲状腺エコー下肢エコー
H22. 4 249 314 53 100 33749
. 5 276 266 51 97 36 726
. 6 269 351 60 10853 841
. 7 24932767 120 69 832
. 8 301 315 66 124 73879
. 9 258 340 60 86 64 808
.10 224 296 59 107 59 745
.11 200 356 52 101 49 758
.12 204 293 56 115 59 727
H23. 1 220 274 61 76 77 708
. 2216 321 58 96 63 754
. 3 264 392 74 113 72 915
合計 2,930 3,845 717 1,243 707 9,442

使用科・部門:消化器内科、循環器内科、内分泌・代謝内科、小児科、耳鼻咽喉科・頭頚部外科、心臓血管外科、乳腺内分泌外科、皮膚科、検査部