3-2-07. 第二外科診療科群(胸部外科を除く)
当診療科では、心臓血管外科、乳腺内分泌外科を中心とした高度専門診療をおこなっている。
入院診療では、各専門領域において、標準的な術式はもちろんのこと、小切開心臓手術、心拍動下冠動脈バイパス手術、弁形成術、胸部あるいは腹部大動脈瘤に対するステントグラフト治療、内視鏡的大伏在静脈採取、乳房温存手術、小切開甲状腺手術、腹腔鏡下副腎手術など、術後の日常生活の質的改善や臓器機能の温存を重視した低侵襲手術を積極的におこなっている。また、局所麻酔による上皮小体手術など日帰り手術や短期入院手術を積極的におこなっている。
去年度の活動状況は、入院患者総数543、手術件数503であった。領域別の手術件数は、心臓血管外科369(前年比+47)、乳腺内分泌111(同△25)であった。
心臓血管外科では、心臓外科189、血管外科180であった。領域別にみると、虚血性心疾患37、弁膜症47、先天性5、胸部大動脈79、腹部大動脈83、末梢動脈疾患87であり、特に高齢者の弁膜症やステントグラフトを中心とした大動脈疾患が増加した。ステントグラフト治療による大動脈瘤手術数は114例であり、中・四国地方で第一位であった。
今後、高齢者人口の増加に伴い、ますます動脈硬化性疾患や悪性腫瘍が倍増することが予想され、かつ、他疾患との合併など症例の重症化、複雑化も予想される。このような背景の中で、当科では、低侵襲手術を含む先端医療を積極的に取り入れつつ、重症例、特に心臓血管外科領域では、緊急例にも24時間体制で対処できる診療体制を整えている。
(西村元延)