3-3-02. 手術部
鳥取大学医学部附属病院手術部における手術件数は増加の一途をたどり,平成20年度に比べ約500件増の約6,400件でした(表1)。大学が独法化された時,手術件数を最低でも6,000件,できれば7,000件にすることが目標と言われていました。独法化する前年,平成15年度の手術件数は3,879件で,6,000件までは何とか増やせるかもしれないが,7,000件は相当困難だろうと思っていました。しかし,今では7,000件という数字が実現可能な数字になりつつあります。本年度の手術件数自体は,国立大学病院全体でみると第15位でありますが,1病床当たりの手術件数9.19件(平均7.90件)は第7位,1稼動手術台数当たりの手術件数712件(平均566件)は第3位,看護師一人当たりの手術件数件(平均160.1件)は第9位でいずれも10位以内という素晴らしい数字でした。これらの実績は外科系診療各科,麻酔科,手術部看護師,臨床工学技士,看護助手など様々な職種の方々一人一人のご尽力・ご協力の賜物であることは言うまでもありません。
毎年述べておりますように,DPC制度における手術は,その原価率の低さから経営上も極めて重要であり,手術部の果たす役割は益々大きくなっていきます。しかしながら手術部の業務は手術件数を増加させるためにある訳ではなく,外科系診療各科医師,麻酔科医師,手術部看護師,臨床工学技士,看護助手などの方々に良質な環境のもとで業務をおこなっていただき,患者さまに対して安全で良質な医療を迅速に提供することが目的です。そのためには,十分な人員の確保と質の向上,適正な人員配置,業務の適正化と分業化,充実した設備が必要となってきます。手術部の業務環境面については現在,クラークの配備や日勤帯における放射線技師の常駐もしていただけるようになり,こうした面においても充実してきました。今後とも放射線部,薬剤部などの他部門との連携を一層強化していき,地域医療を支える『最後の砦』として、さらに安全かつ高度な医療を地域の皆様に提供できるシステムを押し進めていきたいと考えています。
手術部 谷口雄司
○最近5年間の手術件数の推移(表1)
年度 | 手術件数 |
---|---|
平成17年 | 4,854 |
平成18年 | 5,047 |
平成19年 | 5,287 |
平成20年 | 5,894 |
平成21年 | 6,404 |
○各診療科別手術件数(表2)
診療科 | 手術件数 | 診療科 | 手術件数 |
---|---|---|---|
循環器内科 | 133 | 放射線科 | 6 |
呼吸器・膠原病内科 | 11 | 女性診療科 | 492 |
精神科 | 98 | 麻酔科 | 41 |
消化器外科 | 501 | 歯科口腔外科 | 185 |
心臓血管外科 | 342 | 脳神経外科 | 266 |
乳腺・内分泌外科 | 125 | 救急災害科 | 25 |
整形外科 | 562 | 小児外科 | 152 |
皮膚科 | 376 | 形成外科 | 302 |
泌尿器科 | 251 | 胸部外科 | 254 |
眼科 | 1,539 | 合計 | 6,404 |
耳鼻咽喉科・頭頚部外科 | 740 |