3-2-21. 血液腫瘍科

血液腫瘍科では、悪性リンパ腫、白血病、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群などの腫瘍性疾患と再生不良性貧血、血小板減少症などの免疫性疾患の血液疾患全般にわたって診断・治療を行っています。血液の病気は比較的まれなため専門医が少なく、当科は鳥取県西部地区+島根県東部地区の約60万人の診療圏に対応した中心的医療機関として機能しています。平成17年度に は新たにクリーンルーム4床、準クリーンルーム12症が稼動し始め、全国的にもトップレベルの治療環境が整いました。新たに導入された分子標的薬や新規抗菌剤なども速やかに取り入れ、血液疾患の治療成績向上に努めております。

最新標準治療プロトコール
白血病、悪性リンパ腫などの造血器腫瘍について、最新できめ細かい治療プロトコールを作成し、詳細な病型に応じた最適な治療を行っています。その他、再生不良性貧血や特発性血小板減少性紫斑病などの免疫関連疾患などに対しても、国際的な標準療法を行っています。

自家末梢血幹細胞移植
悪性リンパ腫や多発性骨髄腫に対し、自家末梢血幹細胞移植を併用した超大量化学療法を施行しています。

同種造血幹細胞移植
難治性の造血器疾患における治療成績改善のため、血縁者間を積極的に、また、日本骨髄バンク、日本臍帯血バンク登録ドナーからの非血縁者間移植も条件が整えば実施しております。

末梢血幹細胞採取
輸血部と連携し、サイトカイン投与後に成分採血装置を用い末梢血幹細胞採取、保存を行っています。

血液細胞核酸増幅同定検査とフローサイトメトリー検査
検査部と連携し、造血器腫瘍の診断や微小残存病変のモニタリングのために遺伝子検査やフローサイトメトリー検査を行っています。一般的施設では実施されないが非常に重要な慢性骨髄性白血病のイマチニブ耐性に対する突然変異の有無や申請せっきゅうぞうたしょうに認められるjak2遺伝子異常などを測定評価することが可能です。

特徴的な医療機器など
1. クリーンルーム4床、準クリーンルーム12床、アイソレーター4台
2. 成分採血装置(輸血部)

図 延べ入院患者数251名、疾患内訳

図 延べ入院患者数251名、疾患内訳


図2 治療内訳

表 平成19年度処置・移植数実績
骨髄穿刺 142
中心静脈カテーテル 61
腰椎穿刺 31
全麻下骨髄採取 2
自家末梢血幹細胞移植 2
同種造血幹細胞移植 6
内訳  
末梢血幹細胞 1
臍帯血 1
(岡崎俊朗)