3-3-02. 手術部

鳥取大学医学部附属病院手術部における最近の手術件数は増加の一途をたどり,約5,900件でした(表1)。これは平成10年度の手術件数が2,925件ですので,この10年でほぼ2倍に増加したことになります。この1年間の手術件数の増加は約600件であり,その前2年間の手術件数の増加が,約200件/年であったことを考えると驚異的な数字です。これは平成19年4月から手術室が3室(エキシマレーザー治療室,第12手術室,第13手術室)増設され,同年7月から手術枠も若干増加となった影響はもちろんのこと,外科系診療各科医師,麻酔科医師,手術部看護部,臨床工学技士,看護助手の不断の努力の賜物です。

鳥取大学医学部附属病院に入院される入院患者数は約11,000人ですので,概ね入院患者さまの二人に一人は手術をうけることになります。また,DPC制度における手術は,その原価率の低さから経営上も極めて重要であり,手術部の果たす役割は益々大きくなっていくと思われます。そのためには,十分な人員の確保と質の向上,適正な人員配置,業務の適正化と分業化,充実した設備が必要となってきます。

言うまでもなく,手術部の業務は手術件数を増加させるためにある訳ではなく,外科系診療各科医師,麻酔科医師,手術部看護師,臨床工学技士,看護助手などの方々に良質な環境のもとで業務をおこなっていただき,患者さまに対して安全で良質な医療を迅速に提供することが目的です。そのため,今後は手術部における放射線機器の使用や薬剤管理等に関して,放射線部,薬剤部との連携を一層強化していき,山陰地方の医療の『最後の砦』にふさわしいシステムをさらに押し進めることが必要と考えています。

(谷口雄司)

○最近5年間の手術件数の推移(表1)

年度 手術件数
平成16年 4,209
平成17年 4,854
平成18年 5,047
平成19年 5,287
平成20年 5,894

○各診療科別手術件数(表2)
診療科 手術件数 診療科 手術件数
循環器内科 102 放射線科 6
呼吸器・膠原病内科 8 女性診療科 520
精神科 36 麻酔科 35
小児科 2 歯科口腔外科 170
消化器外科 474 脳神経外科 210
心臓血管外科 254 救急災害科 13
乳腺・内分泌外科 160 小児外科 137
整形外科 699 形成外科 303
皮膚科 330 胸部外科 237
泌尿器科 225 血液腫瘍科 1
眼科 1,274 合計 5,894
耳鼻咽喉科・頭頚部外科 698