3-3-26. 看護部
2008年度看護部は「コミュニケーション力を強め看護の量から質への転換」をスローガンとして、戦略目標を(1)患者家族参画のアウトカム評価を実施し、顧客が納得満足できる(2)がん患者の看護診断力を身につけ適切なゴールを設定できる(3)患者の急変・重症化に対応できる知識技術による顧客満足(4)注射内服患者間違い0実現として、BSC(バランストスコアカード)に基づく目標管理に取り組んだ。
(1) 患者家族参画のアウトカム評価を実施し、顧客(患者家族)が納得満足できる
患者の立場に立ち、安全で安心な看護を提供するために、患者参画型看護に取り組んできた。今年度、さらに担当ナースの役割を強化したことで、患者家族の抱える問題に対して、患者家族と共に目標を設定し評価を行うことができた。患者家族が評価に参画し目標が達成できることで、患者家族の満足度は94%と高い評価を得た。
(2) がん患者の看護診断力を身につけ適切なゴールを設定できる
本院は、都道府県がん診療連携拠点病院に指定されており、全患者の約40%をがん患者が占めている。患者家族が望む看護を提供し、がん看護のレベルアップをはかるために、院内認定の緩和ケアサポートナースを35名育成した。
毎週、がん患者カンファレンスを実施し、がん患者家族の心理・社会的看護診断を全患者に立案できるようになった。これらの取り組みにより患者家族が望んだ看護に対する満足度は95%と高く取り組みの成果に繋がった。
(3) 患者の急変・重症化に対応できる知識技術による顧客(医師)満足
今年度、ICU2を12床に増床し、高次集中治療部の稼働率上昇のためには、一般病棟での重症患者のスムーズな受け入れが必要である。そのために、全看護師が急性期看護スキルの向上に取り組んだ。救急看護技術、フィジカルアセスメントの学習を深め、各セクションに特有な疾患の看護チェックリストを使用した看護実践の評価を繰り返すことにより、急性期看護実践能力を高めた。急変・重症患者の看護実践に対して医師のほぼ9割の満足を得ることができた。また、ICU2の稼働率は91%で病院経営への貢献にも繋がった。
(4) 注射内服患者間違い0実現
安全で安心な看護実践のために、注射と内服に関連する患者間違いをなくすことを目標として取り組んだ。危険予知トレーニング(KYT)を取り入れ、注射実施直前の5R(確認5項目)の確認、指さし確認、内服投与時の患者との確認行動を実践した。注射と内服に関連する患者間違いは8件で、昨年度より5件減少し、3b以上レベルの事故発生も無かった。
4つの戦略目標に加えて以下のような取り組みで成果を挙げた。
働きやすい職場つくりの取り組み
産業心理相談員、スタッフ支援担当副部長によるメンタルサポートシステムを確立し、個々の看護師のライフワークバランスを尊重し、支援するために「働きやすい・働き続けられる職場づくり」に取り組んだ。看護部労働安全衛生委員会を新たに設置し「看護職員の健康障害防止及び健康保持増進を図る」を目的に、作業環境整備の実施と健康診断受診率100%の成果を得た。
知識技術の向上
院内認定制度による静脈注射認定取得率は92%、静脈留置針注射認定取得率は63%で、看護師による静脈注射実施率は85%に上昇し、医師と看護師間の役割分担を推進している。今年度、初めて導入した男性導尿認定取得率は全看護師の56%となった。また、認定・専門看護師を目指す看護師を継続して支援しており、現在、5名の認定看護師が院内のチーム医療において活躍している。今年度、新たに救急看護・集中ケア・新生児集中ケア・緩和ケアで4名の看護師が教育課程研修を受講中である。
教育・研修活動
院内研修は117回開催し、新人研修は33回開催した。特にがん看護・重症集中ケアに力を入れた。看護研究業績は、75演題(昨年度53演題)をまとめ、院内発表26演題、院外発表49演題であった。院外研修・学会の参加は総数756人(昨年度290人)で大幅に増加した。院外への講師派遣は49回(昨年度32回)で、救命救急センター看護師、認定看護師への講師依頼が増加している。
看護師確保の活動
7対1看護基準を満たす人員確保のために“この指とまれプロジェクト”の活動に継続して取り組んだ。看護大学・養成学校訪問などのリクルート活動や、広告代理店と契約し、TVコマーシャルや新聞折り込みチラシなどにより多くの応募者を獲得し1年間を通して一般病棟の7対1看護基準か遵守出来た。更に念願の放射線治療専門の看護単位を置くことが出来た。
継続学習支援室活動
新採用看護師81人に対して、継続学習支援室が中心となり、各セクションの継続学習支援副師長と連携して支援を行っている。集合研修から分散研修中心へと移行し、「出前学習」は146回(昨年度134回)実施し、必要な知識と技術のタイムリーな指導により、新人の看護技術習得に効果があった。
地域貢献の推進
継続学習支援室では、潜在看護師の職場復帰を支援する「いつきてもいいよスクール」を開講し6名が受講、3名の地域施設へ職場復帰に貢献できた。
鳥取県職員のスキル向上研修は年間2回開催し、県内の病院・施設・学校の看護職員、教員59名に対し摂食・嚥下障害介助、感染管理、皮膚管理について講義・技術演習を行った。
地域参画型ナースマネージャーコースは4年目となり、当院看護師長・副師長22名、県内各施設の師長・副師長9名が参加し、当院のみならず、地域の看護管理者のマネジメント能力を高めることに貢献できた。
(1) 患者家族参画のアウトカム評価を実施し、顧客(患者家族)が納得満足できる
患者の立場に立ち、安全で安心な看護を提供するために、患者参画型看護に取り組んできた。今年度、さらに担当ナースの役割を強化したことで、患者家族の抱える問題に対して、患者家族と共に目標を設定し評価を行うことができた。患者家族が評価に参画し目標が達成できることで、患者家族の満足度は94%と高い評価を得た。
(2) がん患者の看護診断力を身につけ適切なゴールを設定できる
本院は、都道府県がん診療連携拠点病院に指定されており、全患者の約40%をがん患者が占めている。患者家族が望む看護を提供し、がん看護のレベルアップをはかるために、院内認定の緩和ケアサポートナースを35名育成した。
毎週、がん患者カンファレンスを実施し、がん患者家族の心理・社会的看護診断を全患者に立案できるようになった。これらの取り組みにより患者家族が望んだ看護に対する満足度は95%と高く取り組みの成果に繋がった。
(3) 患者の急変・重症化に対応できる知識技術による顧客(医師)満足
今年度、ICU2を12床に増床し、高次集中治療部の稼働率上昇のためには、一般病棟での重症患者のスムーズな受け入れが必要である。そのために、全看護師が急性期看護スキルの向上に取り組んだ。救急看護技術、フィジカルアセスメントの学習を深め、各セクションに特有な疾患の看護チェックリストを使用した看護実践の評価を繰り返すことにより、急性期看護実践能力を高めた。急変・重症患者の看護実践に対して医師のほぼ9割の満足を得ることができた。また、ICU2の稼働率は91%で病院経営への貢献にも繋がった。
(4) 注射内服患者間違い0実現
安全で安心な看護実践のために、注射と内服に関連する患者間違いをなくすことを目標として取り組んだ。危険予知トレーニング(KYT)を取り入れ、注射実施直前の5R(確認5項目)の確認、指さし確認、内服投与時の患者との確認行動を実践した。注射と内服に関連する患者間違いは8件で、昨年度より5件減少し、3b以上レベルの事故発生も無かった。
4つの戦略目標に加えて以下のような取り組みで成果を挙げた。
働きやすい職場つくりの取り組み
産業心理相談員、スタッフ支援担当副部長によるメンタルサポートシステムを確立し、個々の看護師のライフワークバランスを尊重し、支援するために「働きやすい・働き続けられる職場づくり」に取り組んだ。看護部労働安全衛生委員会を新たに設置し「看護職員の健康障害防止及び健康保持増進を図る」を目的に、作業環境整備の実施と健康診断受診率100%の成果を得た。
知識技術の向上
院内認定制度による静脈注射認定取得率は92%、静脈留置針注射認定取得率は63%で、看護師による静脈注射実施率は85%に上昇し、医師と看護師間の役割分担を推進している。今年度、初めて導入した男性導尿認定取得率は全看護師の56%となった。また、認定・専門看護師を目指す看護師を継続して支援しており、現在、5名の認定看護師が院内のチーム医療において活躍している。今年度、新たに救急看護・集中ケア・新生児集中ケア・緩和ケアで4名の看護師が教育課程研修を受講中である。
教育・研修活動
院内研修は117回開催し、新人研修は33回開催した。特にがん看護・重症集中ケアに力を入れた。看護研究業績は、75演題(昨年度53演題)をまとめ、院内発表26演題、院外発表49演題であった。院外研修・学会の参加は総数756人(昨年度290人)で大幅に増加した。院外への講師派遣は49回(昨年度32回)で、救命救急センター看護師、認定看護師への講師依頼が増加している。
看護師確保の活動
7対1看護基準を満たす人員確保のために“この指とまれプロジェクト”の活動に継続して取り組んだ。看護大学・養成学校訪問などのリクルート活動や、広告代理店と契約し、TVコマーシャルや新聞折り込みチラシなどにより多くの応募者を獲得し1年間を通して一般病棟の7対1看護基準か遵守出来た。更に念願の放射線治療専門の看護単位を置くことが出来た。
継続学習支援室活動
新採用看護師81人に対して、継続学習支援室が中心となり、各セクションの継続学習支援副師長と連携して支援を行っている。集合研修から分散研修中心へと移行し、「出前学習」は146回(昨年度134回)実施し、必要な知識と技術のタイムリーな指導により、新人の看護技術習得に効果があった。
地域貢献の推進
継続学習支援室では、潜在看護師の職場復帰を支援する「いつきてもいいよスクール」を開講し6名が受講、3名の地域施設へ職場復帰に貢献できた。
鳥取県職員のスキル向上研修は年間2回開催し、県内の病院・施設・学校の看護職員、教員59名に対し摂食・嚥下障害介助、感染管理、皮膚管理について講義・技術演習を行った。
地域参画型ナースマネージャーコースは4年目となり、当院看護師長・副師長22名、県内各施設の師長・副師長9名が参加し、当院のみならず、地域の看護管理者のマネジメント能力を高めることに貢献できた。