3-2-19. 救急災害科

平成20年度の救急外来(救命救急センター外来)の受診患者総数は13627人と前年の12489人に比べ約9%の増加を見せた。最近10年間でも平成15年度を除くと毎年増加しており、平成18年度の患者総数は10年前の2倍以上となった(平成8年度:6446人)。救急患者数がほぼ毎年増加しているのは当院だけの特徴ではなく、全国的な傾向でもある。
平成16年10月に開設された救命救急センターの主な役割は鳥取県西部地域における重症患者診療である。救命救急センターの本格的な運営といえる平成17年度の二次・三次救急患者数は、前年に比べ、各々342人(32.2%)・49人(23.1%)の大幅な増加したが、平成18年度もさらに各々143人(10.2%)・20人(7.7%)と増加している。これら入院患者の増加は、病院全体の活性化にもつながっていると自負している。ちなみに、交通事故や労災による重症外傷、意識障害、急性中毒、急性呼吸不全、ショック、CPAなどの三次救急を主に扱っている救急災害科の平成18年度の収容患者は698人であった。
救命救急センター外来は、従来の救急部をそのまま使用することになった。つまり、1床の重症処置室と複数の一般救急診察室が隣接している。この構造で複数の患者、特に重症患者に対応せざるえないため、医学的にも社会的にも混乱や問題が生じやすいのが現状である。今後も救急患者数、重症患者数の増加が見込まれており、センタースタッフの充実とともに構造的な改良、つまりセンター外来棟の新築あるいは包括的な改築が望まれる。