3-2-24. 遺伝子診療科
当科では、遺伝性代謝異常症、遺伝性神経筋疾患、先天的発生異常による脳障害、染色体異常などの多くの患者の診療、これらの遺伝カウンセリングとともに、鳥取大学附属病院で唯一の高度先進医療「筋緊張性ジストロフィー症の遺伝子診断」をはじめ様々な疾患の遺伝子診断や出生前診断などを行っています。
現在は、通常の外来において遺伝性疾患などの診療を行うとともに、毎週火曜日午後に遺伝カウンセリング外来を開設し、臨床遺伝学認定医をもつ専門の担当医が対応しています。平成20年度からは、保健学科よりの看護師、脳神経小児科、精神科、内科、小児科などの医師に加え、臨床心理士が加わったチーム医療の体制を構築し対応しています。特に発症前診断、家族性の癌、出生前診断などに関しては、臨床心理相談センター(菊池義人センター長)との連携をとり、心理的なサポートを充実させています。
平成20年4月から平成21年3月までの遺伝カウンセリング外来では、家族性腫瘍、筋緊張性ジストロフィー症などの発症前診断、Duchenne型筋ジストロフィー症などの遺伝病を中心に25回のカウンセリングが行われ、生命機能研究支援センターと協力し、遺伝病の遺伝子診断などを独自に行っております。また、脳神経小児科外来においても多くの遺伝子診療が行われています(脳神経小児科参照)。
平成20年4月からデュシェンヌ型筋ジストロフィー症などの一部の遺伝性疾患の遺伝子診断が保険点数化されました。本診断を行うには「遺伝学的検査に関するガイドライン」を遵守することが求められます。さらに多くの遺伝性新患に対応するために、遺伝子診療科の遺伝カウンセリングと遺伝子診断の体制をますます充実させる予定です。
先天異常や稀な遺伝性疾患のみならず、家族性のがん、循環器疾患などの研究が進み、これらの疾患への対応も求められております。また、神経疾患などの発症前診断などにも対応が必要になってきております。平成21年度には、高度医療体制も充実させより広い疾患に対応してゆく方針です。
(難波 栄二)