3-3-02. 手術部

鳥取大学医学部附属病院手術部における最近の手術件数は、増加の一途を辿っています。(表1)平成19年度は5200件を超える手術を施行しており、5年前(平成14年度)の1.36倍になっています。この手術件数を安全に実施してゆくために、外科系診療各科医師、麻酔科医師、手術部看護師、臨床工学技士、看護助手の不断の努力があったことはいうまでもありません。

DPCという包括的医療環境下において手術や麻酔という手術部で行われる医療が、病院経営の健全化の屋台骨であることは疑う余地がありません。しかしながら、今後も良質な手術環境を維持、提供するためには、現在の設備や人員では不十分であることも明らかです。鳥取大学が、国立大学医学附属病院手術部の手術台1台あたりの患者数でトップクラスにあることを考え合わせると、今の設備と人員では、1人当たりの業務量がいかに多いかということは想像に難くありません。手術室に勤務するすべての医療スタッフや事務スタッフの熱意が、この業務量を支えているといっても過言ではありません。ですから、この熱意が冷めないで継続できるように、人的資源の確保と適正配置、設備の充実、業務の効率化など適時に実施することが必要です。手術部の労働環境が改善することが、手術をうける患者さまに快適で安心できる穏やかな雰囲気を提供できる早道であると考えます。

患者さまの快適性を確保するために、積極的に徒歩あるいは車いす入室を勧めております。また、殺風景な手術部の雰囲気を和らげるために、手術部看護師のアイデアから手術部廊下に写真ギャラリーを開設しております。少しでも気分を和らげることができれば幸いと思います。手術をうける患者さまの快適度向上と手術室の円滑な運営、安全な手術環境の提供の一層の充実が、今後の手術部の課題であると考えております。

最近5年間の手術件数の推移

年度 手術件数
平成15年 3,879
平成16年 4,209
平成17年 4,854
平成18年 5,047
平成19年 5,287