3-3-16. 内視鏡室
平成19年度の内視鏡検査件数は4697件(消化管内視鏡4471件、気管支内視鏡216件、腹腔鏡10件)で内視鏡を用いた治療件数は453件であった。
平成19年1月より、画像ファイリングシステム、最新の内視鏡診療機器(ハイビジョン画像システム、経鼻内視鏡、ダブルバルーン式小腸内視鏡、内視鏡的超音波下穿刺システム、光線力学的治療システム)などの設備が導入にされ、質の高い診療サービスを患者様に提供できる状況となっている。
消化器内視鏡検査では病変の的確な診断に役立つ超音波内視鏡(内視鏡的超音波下穿刺も含む)、大腸拡大内視鏡の件数が増加しており、苦痛の少ない経鼻内視鏡、ダブルバルーン式小腸内視鏡を用いた小腸検査も行っている。治療内視鏡では消化器系の癌、前癌病変に対する内視鏡的粘膜切除術、アルゴンプラズマ凝固法などが行われている。最近は早期胃癌に対する新しい内視鏡的切除術である内視鏡的粘膜下組織剥離術(endoscopic submucosal dissection; ESD)も積極的に行っている。また、各種の内視鏡的治療用器具を用いて、消化管出血、消化管・胆道狭窄、消化管悪性腫瘍、消化管内異物などの治療も行っている。気管支鏡領域では白色光気管支鏡,蛍光気管支鏡,超音波気管支鏡(生検を含む),硬性鏡下ステント留置などを行っている.特に,超音波気管支鏡下針生検はPET-CTと組み合わせることで,より正確な縦隔リンパ節転移の評価が可能になった.即ち,肺癌患者の治療方針立案に極めて重要な検査を内視鏡下に実行可能となった.一方,検査室の環境整備は進んでおらず今後の課題として残っている.特に結核への対応は急務であると考える.その他、腹腔など多くの臓器に内視鏡を活用した診療も行っている。
(八島 一夫)