3-3-01. 検査部

検査部では病院理念である「健康の喜びの共有」を実現するために、優良な検査技能の提供と臨床のニーズに合わせた検査体制作りを目標に様々な改善に取り組んできた。

1.検査部改善活動

検査部内には現在、業務改善委員会、精度管理委員会、情報管理委員会、安全管理委員会、教育委員会があり、検査部メンバーのモチベーション向上のため全員参加型の委員会構成を採用している。

業務改善活動としては、多くの技師の共通業務である宿日直検査の精度保証に取り組んだ。平成19年10月より定型の時間外記録用紙を作成し、検査結果の解釈、他職種からの問合わせ事項、測定機器のトラブルなどの事例と対処法を記録し、全技師がその事例を共有し、問題点の改善を行なった。精度管理や安全管理では定期的な部内ラウンドを行い、内部精度管理の保持、安全管理の確保を徹底する体制作りを進めた。情報管理では、「検査部だより」の定期発行を行うとともにホームページのリニューアルに取り組んできた。

これらの改善活動に伴う知識や技術の共有、業務の標準化のための技師教育のための研修会も随時開催し、技師の意識改革を図った。

2.中央採血室

中央採血室の平均来室者数は、開設時の平成7年度140名から平成19年度は300名へと約2倍に達した。検査業務と兼任しつつ患者様に「採血を安全かつ最短の待ち時間で提供」実現のため、採血者人数を増員する応援体制を実施している。

採血手技に関する研修として、新人には採血マニュアルに従った採血方法を指導するとともに、全技師にも年1回以上企画する部内研修会受講を義務付けている。平成19年度は、採血手技の確認と患者様への接遇の指導、針刺し事故防止のための感染対策についての研修を行った。

3.チーム医療への参画

病院内の医療チームとして「ICT」、「糖尿病支援チーム」、「NST」へ参加している。 「ICT」は月別・週別検出菌情報作成、ICT病棟ラウンド、血液培養陽性患者の監視、ICTカンファレンスに参加している。

「糖尿病支援チーム」は、SMBGの手技指導、糖尿病教室での検査に関する講義を担当し、カンフアレンスに参加している。

「NST」は、NST回診とカンフアレンスに参加し、院内NST基礎研修会の講義を担当した。

統計資料
検査部門 件数 前年度比
(19年度/18年度)
総点数 前年度比
(19年度/18年度)
一般検査 74,055 101.4% 2,143,570 101.8%
血液検査 233,033 97.9% 7,654,300 91.4%
生化学検査 1,283,936 101.2% 16,977,151 100.7%
免疫血清検査 205,940 103.9% 17,685,850 103.7%
微生物検査 44,143 104.5% 4,195,742 106.2%
生理学検査 30,411 106.1% 10,343,560 104.3%
採血 65,026 105.6% 780,312 105.6%
緊急検査 生化学検査 365,477 106.5% 4,651,034 106.9%
血液一般検査 32,708 106.9% 956,320 113.0%
血液ガス分析 1,518 99.7% 227,700 99.7%
輸血検査 1,865 82.7% 48,017 79.5%
髄液一般他 2,518 109.0% 304,210 109.8%
合計 2,340,630 102.2% 65,967,766 101.8%
(原 文子)