3-3-03. 放射線部
放射線部では、安全でかつ質の高い医療の提供を目標に掲げて努力した。
放射線部に課せられた経営改善目標については、業務の効率化を図ることで前年に比較して5397件増加した。毎年右肩上がりで業務量の増加を図っているが、放射線技師、放射線科医師や看護師の業務量は限界に達している。
MRI検査部門では、「待機待ち予約」や「至急を要する患者様の検査を依頼当日にできる体制」を整備して対応しているが、検査依頼が年々増加しておりMRI装置2台では限界に達していると思われる。
CT検査部門では、16列MDCTと64列MDCTを用いて診療を行った。特に新設した64列MDCT装置は、薄いスライス画像が短時間に撮像され、より診断能の高い画像の提供が行えるとともに冠動脈疾患にも威力を発揮している。
放射線治療部門では、年々老朽化していく治療装置の精度管理と安全運用が行えるよう最大限の努力をした。放射線科の専門医師と放射線部の治療専門技師および品質管理士の人的努力で、老朽化した古い装置でありながら適性な放射線治療を行えたことは賛辞に値する。また、高線量率RALSと前立腺癌治療装置が平成20年7月から稼動するように準備を進めた。
血管撮影部門では、腹部血管系、頭部血管系、心臓血管系の検査・治療の件数が497件増化した。また、「血管撮影室」の名称が「先端画像・低侵襲治療センター」と改名された。従来から血管撮影を行なう診断系だけではなく、IVRを始めとした様々な治療を行っていることから、これらの高度な医療を提供していることを山陰の地域の方々に周知することができた。
核医学検査部門では、PET-CTを新規に導入した。患者数も順調に伸び年度末の3月には113名の患者数を行なった。また、12月からは自由診療も開始し、国民の健康管理の支援も行なえるようにした。ただ、他院からの紹介が以外と伸びず施設基準(紹介率20%以上)を満たすように今後は病院を上げて努力をすることが望まれる。
放射線部では、近年、放射線技師の新陳代謝が進み若い技師が多くなった。彼らの若い力と熟練した力を統合してより良い診療の提供ができるように教育に力を注いでいる。また、診療のレベルが向上するように研究も進めている。そのため専門技師の認定者が増加し、また、研究発表も全国学会、地方学会で多数行ない、原著論文や総説等の発表も行った。
(平田 吉春)