3-2-07. 第二外科診療科群

第二外科では、心臓血管外科、乳腺内分泌外科を中心とした高度専門診療をおこなっている。

入院診療では、各専門領域において、標準的な術式はもちろんのこと、心拍動下冠動脈バイパス術、内視鏡的大伏在静脈グラフト採取、弁形成術、腹部大動脈瘤に対するステントグラフト治療、乳房温存手術、小切開甲状腺手術、腹腔鏡下副腎手術など、術後の日常生活の質的改善や臓器機能の温存を重視した低侵襲手術を積極的に行っている。また、局所麻酔による内視鏡下下肢静脈瘤手術、上皮小体手術により、日帰り手術や短期入院手術を積極的に行っている。

去年度の活動状況は、入院患者総数539、手術件数391であった。領域別の手術件数は、心臓血管外科269(前年比+50)、乳腺内分泌122(同+4)であった。

心臓血管外科では、心臓外科128、血管外科141であった。領域別にみると、虚血性心疾患33、弁膜症32、先天性9、不整脈26、胸部大動脈28、腹部大動脈35、末梢動脈疾患93であり、特に弁膜症や大動脈疾患と虚血性心疾患との合併症例に対する同時手術が増加した。またステントグラフト治療も5例におこなった。

今後、高齢者人口の増加に伴い、ますます動脈硬化性疾患や悪性腫瘍が倍増することが予想され、かつ、他疾患との合併など症例の重症・複雑化も予想される。このような背景の中で、当科では、低侵襲手術を含む先端医療を積極的に取り入れつつ、重症例特に心臓血管外科領域では、緊急例にも24時間体制で対処できる診療体制を整備してゆく予定である。

(西村 元延)