3-2-15. 麻酔診療科群

1.麻酔科担当の麻酔法別症例数の推移

平成19年度に手術部あるいは各科診療外来において麻酔科が担当した麻酔症例数は3,472症例であった。症例数は前年度より108症例の増加をみた。手術件数の増加と連動して、麻酔管理症例数も少しずつ増加している。麻酔法の内訳を表1に示す。麻酔法は平成18年度と比較して、吸入麻酔法が減少している。薬剤が患者ごとに手術室に持ち込まれ、プロポフォールの管理が容易となったためか、吸入麻酔が減少し、静脈麻酔が増加した。平成19年度からは新しい調節性のよい麻薬が使用可能となったことも関係しているであろう。

表1.平成19年度麻酔科管理症例数と主麻酔法
主麻酔法 平成17年度 平成18年度 平成19年度
吸入麻酔 1,709 2,059 1,750
静脈麻酔 524 364 845
吸入麻酔+局所麻酔 473 565 351
静脈麻酔+局所麻酔 367 231 389
脊髄くも膜下麻酔 98 72 67
硬膜外+脊髄くも膜下麻酔 58 60 53
硬膜外麻酔単独 6 11 7
伝達麻酔単独 1 1 3
その他 9 1 7
外来麻酔 13 17 40
総計 3,245 3,364 3,472

2.麻酔管理中の偶発症の発生数

麻酔管理中21症例に重篤な偶発症が発生した(重複例含む)。内訳は表2に示す。

表2

重篤な偶発症 症例数 頻度(%)
異常低血圧 2 0.02
異常高血圧 0 0
重症不整脈 0 0
心停止 7 0.057
低酸素血症 2 0.02
その他 0 0
総計 11 0.1

(山崎 和雅)

【術前(麻酔前)診察外来】

診察日は、月・水・木曜の週3回です。主に午前中は外来患者を、午後は入院患者を診察しています。外来患者では前日入院や当日入院のスクリーニングが多く、入院患者ではハイリスク患者の全身状態のチェックが主となっています。前日入院で手術される症例数が増え、術前外来受診件数が約2倍と劇的に増えました。円滑な運営のため、また正確な情報を頂くために、手術予定の2週間以内の術前ルーチン検査と、必要に応じ各科専門外来への紹介をして頂いてから、お早めにご紹介下さい。

【ペインクリニック・緩和ケア外来】

ペインクリニック外来の診察日は、火曜と金曜の週2日です。主に午前中は外来患者を、午後は入院中の紹介患者の診療や透視下ブロック等を行っています。診察・治療に(特に初診の場合)時間がかかるため、また手術件数が激増し外来係の人数も少ないため、予約枠は制限されています。予約を取れない場合は、麻酔科外来(内線6652)にご相談下さい。

緩和ケア/脳脊髄液減少症外来は、水曜日に稲垣教授が担当されています。原則として、初診のペインクリニックの患者さんは診察しておりません。

【外来(出張)麻酔・全身管理】

平日の予定手術枠内で、何曜日にでもお申し込み頂けます。出張麻酔が同日に複数重ならないようにするため、あらかじめ麻酔科術前外来にご紹介いただき、日程を相談させてください。普通の手術と同じように、麻酔科依頼と手術オーダーをして下さい(手術の開始予定時刻に関しましては、麻酔器運び込みなどの準備の 都合上、多少変更をお願いすることもありますことをご了承下さい)。


外来受診件数
H17年度 H18年度 H19年度
術前診察・その他 1,371 1,518 1,275
ペインクリニック 2,986 3,072 3,376
総受診件数 4,357 4,590 4,651
H19年度の疾患別新来件数
術前診察・CO中毒・その他 1,173
帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛 34
神経因性疼痛 6
複合性局所疼痛症候群(CRPS) 9
筋・筋膜性疼痛症候群 7
癌性疼痛 14
顔面・頭部の疾患・疼痛 17
胸・腹部の疾患・疼痛 0
脊椎疾患 15
頸・肩・腕部の疾患・疼痛 7
下肢の疾患・疼痛 4
四肢血行障害 0
総新来件数 1,286
現在の外来診療体制(H20.10月~)
診療内容 術前外来 ペインクリニック ペインクリニック
(脳脊髄液減少症・緩和)/
術前外来
術前外来 ペインクリニック
担当医 不定 玉川・大槻 稲垣/不定 不定 西村・渡辺

(渡辺 倫子)