高次集中治療部
高次集中治療部は最先端の治療を行う当院において、最も重篤な患者さんの治療・ケアを担う部門である私たちが重点的に取り組んでいることが4つあります。
一つ目は安全です。すべての医療行為、またケアにはリスクを伴います。高度な医療機器を用いるとき、患者さんの状態が悪いときは、一つのアクシデントから思った以上に悪い結果になってしまうことがあります。フィジカルアセスメントの強化、チームステップスの導入、多職種での病棟ラウンド、複数診療科でのカンファレンス、常駐医による早期対応により、より安全、安心の実現を目指しています。
二つ目は良好な機能予後です。集中治療により生命予後は改善しましたが、ICU退室後の運動機能低下、認知機能低下が世界的に問題になっています。高次集中治療部ではICU入室早期から積極的にリハビリテーションに取り組んでいます。早期リハビリテーションはせん妄予防効果が認められています。この取り組みにより運動機能が維持された状態での退院、認知機能が維持された状態での退院につなげてゆきます。
三つ目は感染予防です。世界的に、本邦でも、院内感染、多剤耐性菌が問題になっています。高次集中治療部では感染制御部、感染症内科と一緒に、適切な手指衛生、適切な感染防護具着用、抗菌薬の適正使用を目指しております。高次集中治療部のスタッフのみならず、他部署所属の病院スタッフにも実習中の学生にも注意させていただいております。口うるさくお感じでしょうが、お許しください。
四つめは人間の尊重です。患者さん、ご家族へのわかりやすい説明を心がけ、不安軽減に努めます。患者さんの意思を尊重し、必要であれば代理意思決定を支援します。痛みには迅速に対応します。スタッフ間のコミュニケーションを向上させ、相談しやすい環境を作ることでスタッフのストレス軽減を図ります。
以上、4つが現在の我々の理想であり目標です。少しずつでも実現を目指して日々頑張っています。
南ゆかり