診療支援技術部

1. 人員体制

平成29年度における人員は常勤職員139名、非常勤職員8名の総数147名であった。

内訳は次に示すとおりである。

常勤(非常勤)
検査 37(3)
病理 5(1)
耳鼻科 2(0)
放射線 40(0)
口腔外科 4(2)
リハビリ 29(0)
臨床工学 18(0)
眼科 4(2)
全体 139(8)
役職者
部 長 山根武史
副 部 長 (人材育成・教育担当) 原文子
副 部 長 (業務・医療安全担当) 山川隆
副 部 長 (総務・研究支援担当) 中力直樹
部長補佐 野上智
部長補佐 山下栄二郎

2. 診療支援技術部全体の取り組み

①病院新採用職員へのオリエンテーション

4月4日に実施された病院新採用職員オリエンテーションに診療支援技術部として参加し、各技師(士)長より、新規採用職員に対し、それぞれの部署の紹介や業務上の注意事項について説明を実施した。

②診療支援技術部新人オリエンテーション

診療支援技術部に新規採用された職員に対して、診療支援技術部オリエンテーションを実施した。内容は関連部署の見学と技術部役職者による、講義形式で実施した。

4月4日に関連部署見学を実施し、次いで4月7日、4月10日の日程で講義を実施した。講義では、「組織の基本と方向性」、「服務規程」、「人材育成・教育」、「業務・医療安全」、「研究活動」について部長、副部長より講義を行った。診療支援技術部設立以前はそれぞれの職種において新人オリエンテーションを行っていたが、個別の内容であり、また診療支援技術部全体を俯瞰する内容ではなかった。そこで、新人教育の統一化のため診療支援技術部全職種の新規採用職員を対象にこれを実施した。この取り組みにより部内の新規採用職員のオリエンテーションの内容を統一し、医療技術職員における新人教育の質を標準化できた。

③看護の日のパネル展示

診療支援技術部として看護部による5月12日の“看護の日"のイベント開催に各領域紹介パネルの掲示を行い協力した。平成29年度は、放射線技術領域、検査技術領域、歯科口腔外科技術領域がパネル掲示を行い、リハビリテーション技術領域は自助具等の展示を実施し、言語聴覚士による相談窓口を設けた。

④医療安全取り組み報告会における報告

7月24日、1月22日に病院全体で開催された医療安全取り組み報告会においては診療支援技術部として報告を実施した。7月は「診療支援技術部として院内周知が必要な 医療安全の事柄と最新情報」、1月は「診療支援技術部 医療安全への取り組み」と題して、院内職員への医療安全に対する周知や報告を行った。

⑤第2回診療支援技術部学術大会の開催

1月27日に、診療支援技術部内での研究活動に対する知識共有化の為、「第2回診療支援技術部学術大会」を開催した。会のテーマは「共に育てる -診療支援技術部の次なるステップへ‐」とした。大会では本学医学部長の廣岡教授より、診療支援技術部職員のキャリアアップに関して特別講演をいただくとともに、部内各職種による研究発表を行い、9演題が発表された。参加した職員は他職種の異なる視点からの研究に触れ、新しい知識や新たな研究手法を学び合う事でお互いに良い刺激を受けたようである。今後も継続的にこの大会を開催して診療支援技術部内で職員の研究活動を奨励する雰囲気を醸成し、各職種における更なる研究活動の活性化を期待するものである。

⑥学術表彰・部長表彰の実施

平成29年度の新たな取り組みとして、診療支援技術部内における学術表彰・部長表彰を開始した。

「学術表彰」については学術的な活動に熱心に取り組んでいる個人に対し、その業績・功績を称えるもので、そのレベルにより、新人賞、奨励賞、功績賞、の三賞を設定した。これは、職員の研究活動を奨励し表彰することにより、部内職員の研究活動のより一層の活性化を図ることを目的としたものである。

「部長表彰」については、既存の診療活動や学術的活動等の既存の枠を超えた取り組み等を熱心に行っている個人・またはグループに対し、診療支援技術部長賞を授与してこれを称え、その他の診療支援技術部職員における新たなフィールドでの活動を奨励し、その意識向上を図ることを目的としたものである。

この表彰式は1月27日の第2回診療支援技術部学術大会に併せて開催した。各賞の受賞者の人数は下記のとおりである。

各賞の受賞者数
学術表彰新人賞 9名
学術表彰奨励賞 10名
学術表彰功績賞 3名
部長賞 2名、2チーム
⑦人員配置案の策定ならびに人員の適正配置に向けた取り組み

7月に診療支援技術部内の人員配置案を作成した。これを基に技術部内の人員適正配置の為の取り組みを実施した。人員の不足が見られるところや、効率化の可能性のある領域に於いては各部局長の皆様方にもご協力をお願いし、人員適正配置の為の様々な取り組みを実施した。さらに効率化の可能性のある領域においてはその体制の構築について各部局長、診療科長、各領域長らと複数回の会議を開催しその効率的な体制構築について検討した。

⑧特定任期付職員の登用試験への関わり

平成29年度より、診療支援技術部における特定任期付職員の常勤登用試験において、診療支援技術部長もしくは副部長が面接官として関わることとしていただいた。

これによって診療支援技術部としての視点からの評価が可能となった。

診療支援技術部は病院が目指す安定した病院運営を支えると共に、高度で安全な医療技術の提供と患者サービスの向上に資することを目的とした組織であり、そのために医療人としての「人間力」、専門技術者としての「技術力」、大学職員としての「研究力」、これらを地域に活かす「地域貢献力」を踏まえた人材育成を実施している。

診療支援技術部として、特定任期付職員登用試験への関わりを持つことにより、これまで以上に病院の運営に資することのできる職員の登用に貢献したいと考えている。

⑨人材構築委員会の活動

平成29年度は部内職員でも中堅層となる室長(主任)の育成のため人材構築委員会を新たに立ち上げた。委員会は概ね1回/週に会議を開催し、具体的な取り組みの内容など検討を行った。その検討から9月19日に外部講師により「人材育成の価値とは、リーダーシップの価値とは」と題した講演会を実施した。また、2月27日には特に室長(主任者)に対象を限定し、外部講師により「リーダーである室長(主任)に求められるコミュニケーション」と題した講演会を開催した。さらに、この受講者により3月3日にワークショップを開催し、室長(主任)がいかにコミュニケーション向上を図るべきか検討を行い、このためのアクションプランを策定して実際に自部署で実践する取り組みを実施した。

3. 委員会活動

診療支援技術部には「人材育成・教育特別委員会」、「業務・医療安全特別委員会」、「研究支援特別委員」を設置している。3つの特別委員会ではそれぞれの担当副部長を委員長とし、各職種の担当者を委員として充て、月に1度の頻度で会議を開催し、各種の活動を行っている。

①人材育成・教育特別委員会

人材育成・教育特別委員会では、部内職員の育成・教育を目的とした様々な取り組みを行った。

研修会としては【疾患勉強会】と【部署見学】を平成28年度より企画し開始している。

【疾患勉強会】では部内職員全員を対象に医療技術職が関わることの多い疾患を取り上げ、その治療において様々な医療技術職がどのような技術を用いて治療に関わっているかについて勉強会を行った。29年度は6月12日に「心筋梗塞」、12月11日は「糖尿病」をテーマに開催し、自身の職種以外の専門的な知識獲得を促す取り組みを行った。

【部署見学】は部内職員全員を対象に普段見ることのできない他職種の部署を見学するもので、5月と7月に検査部の見学、1月にリハビリテーション部の見学を行った。これらの取り組みは、職員の知識の向上と職員相互間の関係性を深めることを目的とするものであり、当院の診療活動により貢献できる医療技術職員の育成・教育につなげていく考えである。

また、これらの研修会に加え【接遇研修会】を2月20日に開催し、臨床での基本マナーとなる接遇について、部内職員のレベル向上を図る為の取り組みを実施し、本院の適切な医療の提供に資するための取り組みを実施した。

各研修会、部署見学には毎回部員の半数となる70名近い部員が参加している。

これらの取り組みは、主に職員の知識の向上と職員相互間の関係性を深めることを目的とするものであり、当院の診療活動により貢献できる医療技術職員の育成・教育につなげていきたいと考えている。

②業務・医療安全特別委員会

業務・医療安全特別委員会では医療技術職が医療安全に貢献できることに焦点をあて委員会内部を、「転倒転落対策班」、「感染対策班」、「患者誤認受付対策班」の3班に分けて活動を実施している。毎回の委員会ではインシデント報告を行い、インシデントがある場合は情報の共有化を図っている。また、委員が各部署を“医療安全"という観点で視察を行い、他の職種から見た検討ならびに対策を実施している。さらに、当院の医療安全取り組み報告会で診療支援技術部が担当した会においては、本委員会が中心となり診療支援技術部の取り組み報告を実施した。業務・医療安全特別委員会ではこのような取り組みを通じ、医療技術職員として当院における安心・安全な医療の提供に貢献したいと考えている。

③研究支援特別委員

研究支援特別委員会では、部内職員の研究活動をより活性化させるための取り組みを実施した。

まず、研究初学者向けの【ミニクチャー】については、5月15日に「研究のはじめ方」、8月21日に「研究デザイン」、11月13日に「文献検索」、2月19日に「スライドの作り方・発表の仕方」をテーマとして4回開催した。

また、研究経験者を対象に更にそのレベル向上を図る為の取り組みとして、【科学研究セミナー】を開催している。7月27日に「奨励研究に採択された研究の紹介」、9月6日に「奨励研究について」、10月23日に「臨床研究と倫理審査」、3月16日に「医療機器開発」をテーマとして4回開催した。

【学術実績表彰・ファーストペンギン賞】の実施については、28年度の本委員会による研究活動についての職員アンケートを踏まえ、本委員会が企画・立案・実行したものである。表彰の概要に関しては、先の項に記載したとおりであるが、企画・立案から部内要綱を作成し、その実行の為に被表彰者の推薦依頼、賞状作成など様々な業務を実施して本表彰を行った。なお、本表彰要綱は、これを基とした事務方の起案により、病院執行部会議(1月24日)、病院運営会議を経て正式な病院規則として頂いた。

【第2回診療支援技術部学術大会】の開催については、研究活動を奨励する雰囲気づくりの一環として本委員会が中心となり学術大会を企画・開催した。

研究支援特別委員会では部内職員の研究活動を活性化させるためのこれらの取り組みにより、高度先進医療を担う当院の取り組みに貢献できる人材の育成に努めていく考えである。

4.学術活動

平成29年に於ける部内職員の状況については以下に示すとおりである。

(文責 中力直樹)