がん診療においては、診断早期から適切な緩和ケアの提供により生活の質の改善のみならず、延命効果もあることが報告されている。平成26年に示されたがん診療連携拠点病院の整備指針に則り、当院でも平成27年10月に緩和ケアセンターを開設した。従来入院患者を中心に緩和ケアを提供してきた緩和ケアチームに加え、平成27年10月に新設した緩和ケア科が外来患者に対する緩和ケアの提供を行っている。

1.緩和ケアチーム

消化器内科、消化器外科、呼吸器内科、麻酔科、精神科の医師と、がん看護専門看護師、緩和ケア認定看護師、薬剤師、臨床心理士、歯科衛生士、栄養管理士による多職種で緩和ケアチームを構成している。カンファレンスを木曜日、回診を水曜日と金曜日に実施し、患者の苦痛を全人的苦痛としてあらゆる角度からアセスメントし、各専門的見解を以て患者の症状緩和に努めている。緩和ケアチーム依頼件数の年度推移、平成29年度診療科別依頼件数、平成29年度依頼内容割合、を以下に示す。

2.緩和ケア外来

がんに伴う様々な疼痛に対応するため、火曜日および木曜日に緩和ケア外来診察を行っている。平成29年度の緩和ケア外来通院延べ患者数は37人であった。

3.教育・研究支援

医師を対象とした緩和ケア研修（PEACE研修）を年1回開催している。公開教育セミナー、市民公開講座などの開催を通じて、緩和ケア診療の啓蒙と普及を行っている。

執筆　大山賢治