脳とこころの医療センター
平成28年度の脳とこころの医療センターの活動状況の概略をご報告致します。
1.脳とこころの医療センターに属する4診療科間の連携
神経・精神疾患の診療に係る脳神経外科、脳神経内科、脳神経小児科、精神科の4診療科は、頭痛、てんかん、発達障害、認知症、高次脳機能障害などの複数科での診療を必要とする疾患、あるいは、初診の段階でどの診療科が担当すべきかが判断しにくい疾患に関して、連携して診療する体制をつくっています。平成28年度からは、外来看護師が適当と判断した診療科がまず診察し、その上で、必要な場合には、最も重要な問題の治療に適した診療科に紹介することにしています。認知症を例にあげると、記憶などの認知機能が主な問題であれば脳神経内科、行動心理症状への対応が必要であれば精神科がそれぞれ担当します。このようにして、前にあげた複数の診療科での診療、あるいは脳神経小児科から他診療科へのキャリーオーバーなどの連携に力を入れています。
2.脳とこころの医療センターのカンファランス
前述のごとく、複数科にまたがる神経・精神疾患はしばしば診断・検査・治療など、診療上の困難を伴うことが多く、専門的知識と広い視野が求められます。隔月に4診療科で実施している当センターの症例検討会は、平成28年度も6回開催され、各診療科の知識・経験に基づく多様な意見を交わすことができる貴重な場となっています。診療科の枠を超えた議論によって、異なる視点で診断が確定し、適切な治療を行うことで患者様が寛解に至る症例を経験することができました。
平成28年度も、さらに4診療科の連携をさらに密にし、神経・精神疾患において大学病院に求められる高度医療を担うべく、努力を続けて参りたいと思います。
兼子 幸一