高次集中治療部
当院の第一集中治療室の患者さんは半分以上が手術後の患者さんです。さらにその半分以上は心臓手術後の患者さんです。私たちは、より早い人工呼吸器からの離脱、より早い飲水・食事の開始、より早い立位・歩行の開始を目指しています。これには患者さんご自身、またご家族の協力が不可欠です。患者さんも手術の翌日は寝ていたいとお考えかもしれませんが、呼吸器合併症や深部静脈血栓症といった合併症を減らすためにも、昼間は起きて夜は眠るというメリハリのある生活をしていただきます.ご理解、ご協力お願いいたします。日々近くに医師、看護師、理学療法士、薬剤師、臨床工学技士、歯科衛生士がおり、多職種で連携し、チーム医療で患者さんにとってよりよい治療、ケアを提供します。ご意見、ご感想がありましたら、遠慮無くおっしゃってください。
森山直樹 記
第1ICU入室患者 |
人 % 入室患者 391 |
転帰 生前退室 370 95 死亡退室 21 5 |
性別 男性 239 61 女性 152 39 |
第1ICU入室患者の年齢 |
年齢 人数 % 0歳 15 4 1歳 7 2 2~9歳 16 4 10歳代 10 3 20歳代 5 1 30歳代 10 3 40歳代 18 5 50歳代 28 7 60歳代 94 24 70歳代 122 31 80歳代 61 16 90歳代 5 1 |
計 391 |
平均値 61 中央値 69 |
第1ICU入室期間 |
人 % 1日 32 8 2日 135 35 3日 111 28 4日 37 9 5日 26 7 6日 12 3 7日 5 1 7~14日 23 6 15~21日 3 1 22日以上 7 2 計 391 |
平均値 4.5 日 中央値 3 日 |
第1ICU診療科別入室患者数 |
科 人 % 心臓血管外科 175 45 消化器外科 48 12 泌尿器科 25 6 整形外科 24 6 呼吸器内科 18 5 耳鼻科 15 4 小児科 15 4 脳神経小児科 15 4 胸部外科 11 3 口腔外科 10 3 女性診療科 8 2 消化器内科 5 1 脳神経外科 5 1 小児外科 4 1 形成外科 3 1 脳神経内科 3 1 循環器内科 2 1 皮膚科 2 1 血液内科 1 0 腎臓内科 1 0 精神科 1 0 |
計 391 |
【平成27年度 ICUⅡ、HCU年次統計】
本統計は平成27年4月1日から平成28年3月31日の間にICUⅡまたはHCUに入室した患者を対象としています。複数回入室している患者様も延べ数として計上しています。なお、各病棟とも入室患者数が0だった診療科(小児科など)については割愛して表記しておりますので御了承下さい。ICUⅡの入室患者数は、延べ1,452名でした。内訳は男性797名、女性655名で、年齢は13~103歳(平均67.4歳)でした。在室日数は1~51日(平均3.3日)で概ね例年通りです。本年度の緊急入室は320例で全体の22.0%とこれもほぼ横這いでした。診療科別では、消化器外科、心臓血管外科、胸部外科、泌尿器科、脳神経外科など外科系各科の入室数が多くなっています。循環器内科の入室患者数は昨年度からさらに1.5倍に増加しており、地域における循環器内科領域における当院の役割が高まり続けているものと推定されます。他に、耳鼻咽喉科の入室患者数も昨年度の2倍に増えていました。例年と同じく、内科系各科では緊急入室の割合が高めで在室日数が長くなる傾向があり、外科系各科は予定手術後の短期間の入室が多い状況には変わりがありませんでした。月別の全入室患者数では8~9月に減少がみられましたが、年間では昨年を上回りました。HCUの入室患者数は、延べ717名で昨年度を大きく上回りました。ただし、昨年度は病床の改修工事の影響を受けていたため、本来の患者数に戻ったものと思われます。内訳は男性363名、女性354名、年齢は14~102歳(平均66.4歳)でした。在室日数は1~64日(平均4.2日)で例年並みで、緊急入室は275例で全体の38.4%と例年より低くなっていました。診療科別では、消化器外科、循環器内科、脳神経外科、乳腺内分泌外科が多数を占めました。他に、呼吸器膠原病内科の入室患者数は昨年度の2倍に増え、少数ながら歯科口腔外科、形成外科の入室数も増加しています。今年も人工換気管理や感染症の遷延などで在室が長期化する患者様が多くなっていました。平成27年度もICUⅡおよびHCUは、予定手術後早期や一般病棟で発生した急変した患者様を受け持ちつつ、ICUⅠや救命救急センター病棟、CCUから一般病棟への橋渡し的な役割を任される病棟としての立場に変わりありませんでした。患者様や御家族は勿論のこと、各診療科の担当医、日当直医、病棟医長の皆様や、各病棟およびベッドコントロールセンターの皆様の御協力を得ることで、今年度も病棟運営が成り立ちました。今後も円滑に病棟の運用が得られること、それが患者様の利益につながることを期しております。
高次集中治療部 高野周一