総合周産期母子医療センター

 平成18年7月1日に、鳥取県から本院が総合周産期母子医療センターとして指定され、同年7月14日から運用を開始いたしました。平成24年10月16日にNICU・GCU を各9 床 から各12床・15床に増床していただきました。現在当センターはMFICU6床を含む母体・胎児部門、NICU12床・GCU15床を含む新生児部門、分娩部門から構成されています。当センターは厚生労働省の周産期医療対策事業に基づいて運用されており、他の医療機関からの患者様の受け入れと治療を本センターの重要な機能としています。 母胎・胎児部門は主として、母体合併症妊娠や早産児・低出生体重児の出産が予想される場合など、当院での管理が必要な患者様を受け入れています。また新生児部門は、早産・低出生体重児に加えて、呼吸・循環・神経・消化器疾患、黄疸、重症仮死などで、当院での管理を必要とした患者様を受け入れています。 当センターでは産科や新生児科だけでなく、脳神経小児科、小児外科、脳外科、耳鼻咽喉科など、種々の専門家の協力を得て、知何なる合併症を持つ妊婦さんでも妊娠中から産後まで、そして最重要の新生児ケアを「総合的」に行うことができる医療施設を目指しています。ハイリスク妊婦の分娩を当院内で行うことにより、病的新生児・早産児の初期治療を充実させ、新生児搬送に伴うリスクを回避することができ、ハイリスク妊娠分娩について、妊娠早期から母体・胎児・新生児の管理、治療を一貫して行うことが可能となります。 当センターでは医療スタッフの充実と最新の医療機器を用いて、おかあさんと赤ちゃんの生命と健康を守るために、県内全域の周産期医療機関と協力して、全力を尽くしていきたいと考えております。
                                                                                  
                                   文責 三浦 真澄

 

平成27年度の症例、活動

 【症例】
  ・入院数 364人
    院内出生  284例
    院外出生  80例
    (場所別)
    鳥取県    71例
      島根県      9例

 
 ・分娩様式
   経膣分娩での出生 146例
   帝王切開での出生 138例

 
 ・出生体重別

       ~999g    11例
    1000~1499g    21例 
    1500~1999g    36例 
    2000~2499g    59例
    2500~2999g    110例
    3000~3499g    81例
        3500g~       16例


 ・主な疾患
     呼器疾患   : 呼吸窮迫症候群、胎便吸引症候群、気胸、慢性肺疾患など  
     心疾患    : 心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、ファロー四徴症など  
     内分泌疾患  : 高インスリン性低血糖症、甲状腺機能異常など  
     外科疾患   : 横隔膜ヘルニア、食道閉鎖、中腸軸捻転、小腸閉鎖、鎖肛など  
     中枢神経疾患 : 頭蓋内出血、先天性水頭症、脳梁欠損症など  
     その他    : ダウン症候群、18トリソミーなど

 
 ・自宅退院以外の退所先(転棟、転院例) 
     院内小児病棟へ転棟             3例  
     他施設(診療所、病院)への逆搬送    24例(うち産科への逆搬送7例) 
     治療目的の医療機関への搬送       7例  
     養育施設への入所            2例


 【新生児部門における有資格者】
  周産期(新生児)専門医            3名(うち1名は暫定指導医)  
  小児循環器暫定指導医          1名  
  新生児蘇生プログラムインストラクター  5名 
  新生児集中治療認定看護師        2名