高圧酸素治療室

平成27年度の治療実績は延べ368件のなり、平成26年度の189件に対し、2倍近く増加した。診療報酬上は、救急的適応は無く、すべて非救急的適応であった。第一種高気圧酸素治療装置のみの運用であるため、救急的適応と減圧症治療ができないため減少したと思われる。また、内訳は耳鼻科の顔面神経麻痺、突発性難聴、放射線治療後の脳壊死、整形外科では感染症と創傷治癒、泌尿器科では放射線治療後の膀胱潰瘍となり昨年度同様であった。
 近年放射線治療後の軟部組織傷害に対する治療が全国的に増えており、概ね30~40回の治療が目安となるため、治療件数が増加したものと思われる。また、創傷治癒目的の高気圧酸素治療も近年増加傾向にあり治療件数の増加に影響していると思われる。これら2つの病態に対する高気圧酸素治療は、世界的にも増えており、今後のEBM充実に寄与していきたいところである。

                                  南ゆかり、松上紘生

     平成27年度 高気圧酸素治療実績
 疾患名  診療科   総計 
 耳鼻  整形  泌尿器
 右顔面神経麻痺      61            61 
 右突発性難聴    40        40
 右人工股関節感染      46       46
 右大腿軟部肉腫術後感染      31      31
 術後インプラント周囲感染      10      10
 人工関節感染      20      20
 左大腿内転筋内腫瘍      10      10
 前立腺癌        30    30
 放射線性膀胱炎   6      64    70
 放射線性脳壊死    50        50
総計  157    117    94     368