小児科

 第4代教授の神﨑 晋が就任して16年目を迎え、当科では診療、教育、研究の各方面において幅広い活動を続けています。
 小児医療は、胎児医療から思春期医療を含む総合医療であり、即ち成育医療として多様な医療体系を呈しています。診療面におきましては、全国的に専門分化が進み、各専門分野における充分な知識や技術を有した診療が要求されます。 同時に、小児に対するトータルケアを心掛けなければなりません。このような情勢のもと、当教室では、専門分化とともに小児の総合医療を実践するために日々努力を重ねています。
 外来診療は、初診・一般再来患者外来を平日午前、それに加えて各専門外来を午前・午後に行っています。専門外来は、循環器疾患(月曜日午前午後、金曜日午前)、肝・胆道/消化器疾患(火曜日午前)、内分泌・代謝疾患(水曜日午前)、血液・悪性腫瘍疾患(水曜日午前)、フォローアップ外来 (木曜日午前)、乳幼児健診(木曜日午前)、腎・泌尿器・膠原病疾患(金曜日午前)に分けられています。
 小児総合病棟は、中国・山陰地方の小児医療を総合的に担う診療部として益々重要な役割を果たすべきと考えています。小児総合病棟におきましては、小児内科系と小児外科系の枠を越えて診療各科が共同して診療が行われています。また動脈管開存症に対するカテーテルintervention術、白血病、悪性腫瘍に対する造血細胞移植や経皮的肝生検・腎生検などをはじめとして、各専門領域における高度医療が行われています。総合周産期母子医療センター新生児部門は、12床の新生児集中治療施設(NICU)を含む27床を有し、中国・山陰地方の新生児医療の中核施設として機能し、年間300-350例の病的新生児の管理が行われています。多胎児や出生体重1,000g未満児の管理に加えて、当院外科系各科の協力のもと外科系疾患に対する治療も積極的に行っています。
 小児疾患は、極めて多様化しており、糖尿病、肥満や高脂血症などの生活習慣病などの疾患にも対応する必要がありますが、これらの疾患にも対応できるよう鋭意努力しています。また長期の入院生活を強いられる患児に対して、就学年齢の児を対象とした院内学級が小児総合病棟に常設されおり、就将小学校、湊山中学校から教員を派遣していただいています。また、未就学児を対象とした専任保育士によるケア(場所:新設プレイルーム)が実践されています。今後も診療、研究ともに高度医療を担う地域の中核施設としてさらなる研鑽を重ね小児医療の発展に貢献したいと考えています。
                                           (文責 鞁嶋有紀)

表1 平成26年度小児科入院患者数(新生児医療センターを除く)

疾患名

患者数

疾患名

患者数

血液・腫瘍

68

喘息・アレルギー

40

呼吸器

11

腎臓・膠原病

25

循環器

54

神経・筋疾患

52

肝臓・消化器

27

中毒・事故

9

内分泌・代謝

55

その他

48

感染症

82

新生児医療センターから

3

合    計

474

    
    
表2 平成26年度新生児医療センター 入院患者数

出生時体重(g

患者数

  
1,000g未満

11

  
1,000以上1,500未満

19

  
1,500以上2,500未満

108

  
2,500以上4,000未満

217

  
4,000以上

3

  

合    計

358